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好きって、言ってよ⑱
「ゴムは、つけて下さいよ。
......約束、しましたよね?」
顔だけ後ろを向け、ギロリと睨み付けた。
「うん、約束だし着けるよ。
でも残り、あと一個しかないんだよね。
これだけで、足りるかな?」
いつの間に手に取ったのか、避妊具の入った小さな包みを持ってプラプラと揺らし、ニヤリと笑う課長。
「ならあと一回で、今日は終わりですね」
今度はにっこりと微笑み、答えた。
......なのに、コイツと来たら。
「うん、そうだな。
お互いそれで、満足出来るなら」
僕同様、笑顔で答えた。
本当に、いらっとさせる男だ。
「当たり前でしょ?
もうさっきので、僕は満腹なくらいです」
この会話の間も、休む事なく僕の胸を触り、弄ぶ彼の指先。
彼と関係を持つまではそんな場所で、感じた事など一度たりとも無かったと言うのに、そこはもう完全に僕の性感帯のひとつに変えられてしまった。
「そう?
こっちのお口は、もっとって可愛くおねだりしてるみたいだけどな」
胸への刺激に意識が集中してしまい、油断していたところで思いっきり奥をつかれた。
「ひぁ...んん!」
さっきまで散々抉られ、蹂躙され尽くしたそこは僕の心を完全に裏切り、彼の与えてくれる快感をまた求め始めてひくつくのを感じる。
「ほら......気持ちいいんだろ?
......素直になれよ、淫乱」
耳元で囁く、意地悪な声。
それにまた反応し、体が震えた。
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