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日曜日の朝は①~side田畑~
熱のあった久米君に聞かされた、予想外の告白。
そこから済し崩し的な感じで何だかんだと理由をつけ、嫌がり渋るフリをする彼を拉致り続ける事、数週間。
ようやく元カレとオソロの、例のピアスを外させるに至ったのだが。
月曜日の、夕刻。
......俺は、予想外なモノを見てしまった。
そう、それは......確かに想いを伝え合い、気持ちを確かめ合ったばかりの久米くんが若い男とふたり仲良く、買ったばかりと思われる食材の入った袋を抱えてスーパーから出てくる姿。
相手の男はビジュアル的にはなんつーか......爽やかで、可愛い系?
一見大人なようでいて、でもよく見るとまだ少し幼さの残る雰囲気の、眼鏡が似合う子だった。
......俺とは真逆のタイプであり、たぶんアイツの好みのどストライク。
しかもその時見た久米くんは、俺には酔っ払った時くらいしか見せた事のない、自然で愛らしい笑顔を浮かべていた。
相手の事が気になるなら聞けば良いと言われるかもしれないが、不器用で意地っ張りで、更には天の邪鬼な俺には、他人からしてみたら簡単なソレが難しい。
あと久米くんが絡んだ時の俺は、いつもよりちょっとだけ臆病者になるかもしれない。......くそダセェ。
「久米君。今日もこのまま、泊まってく?」
優しく頭を撫でながら、聞いた。
すると久米君は愛想も何もない無表情のまま、スマホを弄りながら答えた。
「あー......、無理っすね」
そのまま数日が流れ、何も聞けないまま今はもう土曜日の朝。
いつものようにまたしても拉致に近い形で彼をお持ち帰りして、一晩中愛を確かめ合った直後の残念過ぎる会話がコレだ。
......もう少し、甘さがあっても良くないか?
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