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暗闇の中*
東城の両手が全身をすべり胸をわき腹を、腕を、太ももをなでてくる。満遍なく広瀬を手に覚えさせようとしているようだ。広瀬も、彼の身体に触れた。すこし汗をかいてしっとりしている。想像していたとおり、東城の体温は高い。
東城の片手は胸にすべってきて、突起を探し当てた。繰り返し、触れる程度でなぞられる。最初はむず痒かった感触が、どんどんとがっていき、触れられるのがつらくなってくる。もう一方の手は、腹から太ももにのび、内股から臀部をいきつもどりつしてくる。
胸から足の先までがつながって、熱い感覚を全身に運んでいるようだった。東城が手をうごかすたびに、広瀬は息を吐く。身体の奥に溜まる熱を外に出してしまいたかった。
その吐息に気をよくしたのか、東城の手がさらにしつように両方の胸を攻めてくる。広瀬はじくじくしはじめた感触に、身体をよじる。腰から下がかなり重くなってくる。
東城の手が、広瀬の下半身に降りてきて、初めて、彼の中心に触れた。そこは敏感になっていて、半分立ち上がっている。東城は、広瀬の性器の先をなでて、指でいじってくる。立ち上がった広瀬のそれを指先でするっとなであげる。
東城が大きな右手で広瀬の性器をつつみ動かした。刺激のつよさに足をとじそうになると、自分の足をいれこんできて、広瀬が足で隠せないようにしてくる。
東城の右手が、広瀬の性器の棹の部分をこすっている。その手つきは優しく強引なところはない。だが、彼の手のひらのところどころが、硬い皮膚になっており、そこが、敏感なところにこすれると、少しだけ痛みが走る。広瀬は、気持ちいい感触の間に突然くるかすかな痛みに無意識に避けるようにうごいてしまう。東城は、広瀬のどんな反応も逃さない。自分の手がざらついて、広瀬がひいているのをすぐに理解した。
「あ、手、な」と東城はいう。「ちょっと、かさついてるから。痛い?」
彼は、指先だけで先端から首の部分をそっとなでる。「自分のする分には、あんまりわからないんだが、こことか、こすられると痛いよな」そして、聞いてくる。「ローションかなんかあるか?」
「え?」
「その、サイドとかに、オイルローション置いてない?ジェルでもいいけど」
「ないです。洗面所にいけば、何かあるかもしれないですけど」
「洗面所。この状態で、ごそごそ探しに行くには遠いな」と少し笑いを含んだ声になっている。「このうちのベッドサイドには、灯りのリモコンはあるけど、ローションはないんだな」とひとりごちた。
「とってきますか?」と真面目に広瀬が答える。
「いや、いい。別な方法でするから」そういうと、つっと人差し指でなでてから、頭を下にずらしていき、口に含んできた。
広瀬は予期しない感覚に声をあげた。「あ!」一度声をだすと、その声はとまらなくなる。「あ、あ、」
東城が、試すようにまず先端を口に含んだ。それから、舌でなめられる。少しずつ全体を口にいれられる。温かい湿った感触につつまれる。今までも女性に口でされたことはあったが、それとは違っていた。肉厚の舌がなめあげてくる。包んでくる口腔は大きい。次にくる刺激が予想ができず逃げたくなる。
唇をすぼめて出し入れされ、先端の感じる場所を吸われる。「ふっ、うっ、」
舌が、筋のところを行き来すると、声とともに息がでて、恥ずかしい喘ぎ声になる。ペニスの裏筋から首の部分までをなんども口の中でなめられる。くちゅくちゅという東城が口を動かす音と自分の声だけが部屋で聞こえる。それが広瀬にはとてつもなく恥ずかしい。でも声を止めることはできない。
「う、う、、、ああ、東城さん、もう」広瀬は声をあげる。
広瀬の性器は、唇で軽く締められながら、出し入れされた。血がどんどん流れて、たまっていく感じがする。
唇と咥内でこすられていくうちに、同じ刺激でも、強く感じるようになる。こらえようとして足をつっぱっていると、指先がつりそうだ。
広瀬は、動く東城の頭を手で押してどけようとした。「東城さん、ちょっと、」
東城は、手に力をいれていて、離れようとしない。広瀬を追い詰めることに集中している。
「ああ、東城さん、もう、でちゃうから、顔をはなしてください」と広瀬は息継ぎの合間になんとか伝えた。
だが、東城は、口をはなさず、右手で根元を軽くつかみ上下させる。今度は唾液で手がすべり、快感だけの刺激となる。広瀬は「う、う、」と声があがってしまう。がまんできない。「あっ、あっ、あーっ!」
何度かこすられて、喉の奥で吸われて、広瀬は、東城の口の中ではじけた。性器だけでなく、身体中がびくびくうごき、声が抑えられなかった。
東城は、力を失った性器を口の中に含みかわいがっていたが、しばらくしてゆっくりはなした。性器が外気あたり、広瀬は身震いする。
息ができるようになったので、広瀬は、東城の身体を押しのけて、ベッドサイドに手を伸ばす。確か、このあたりにティッシュをおいていたはずだった。何度かさぐってようやくみつかり、数枚とると、東城に渡した。
すると、受け取りながら東城は、「ん?何これ?」と聞いてくる。
「口の中の、出してください」広瀬はいう。
「いらない。飲んじゃったから」
「え?」
「飲んだ。すぐに。でも、お前べたべたしちゃったから、ふくな」といって、広瀬の足の間と下ばえをなんどかティッシュでなでてふきとろうとする。
「飲んだんですか」広瀬はショックだ。「なんで」。予期せず泣きそうな声になってしまう。
「いや、別に、そうしようと最初から思ってたから。いやだったのか?」そういいながら、東城は、また、舌で、広瀬の性器をなめてくる。
東城に優しくなんどもなめられているうちに、もう一度性器がゆるくたってくる。唾液と東城の口にわずかに残った自分の精液でぬるっとしている。なめながら東城は指を使って形をなぞってきた。今度は東城の手がなめらかにうごく。広瀬はまた身体が重くなり、手足が思うように動かず、されるがままになりそうだった。
東城は手で広瀬の性器をなでながら、太ももにキスをおとし、わき腹をなめてきた。
「お前、どこも美味しいんだな」とよくわからないことをいう。「肌もすごくなめらかだから、触ってるときもちいい」
右手は、ゆるゆると、広瀬の性器をいじっている。
もう一方の脇から腰にうごき、少しだけ身体ごと動かされて、気がつくと横向きにされ、背中からだきこまれた。
彼の欲望が太ももにあたってくる。余裕そうな話し方をしているが、彼が相当興奮しているのがわかる。東城の性器は硬く、先走りがでて、広瀬の太ももをぬらす。
広瀬の臀部に手がふれ、東城のペニスの先が双丘の間をかすめる。そこにある秘所をさぐるように、腰を動かしてくる。後孔の入り口をなんどかつかれたため、広瀬は、身体をのびあがらせ、逃げをうった。東城の意図を感じて、こわくなったのだ。
東城は、自分の腰をひいて、後孔にあたらないようにずらし、そっと、広瀬を後ろからだきしめた。
「怖いよな。大丈夫。しないから」そして、背中になんども口をおとす。「ちょっとだけ、こうしてたいだけだから」身体をぴったりとあわせてくる。彼のかさのある太いモノが熱く、ドクドクと後ろでうごいている。
広瀬は、右手を後ろに動かして、それにふれてみた。当たり前だが今まで自分以外の男のものに触ったことはなかった。その形や大きさが自分のとは違うのは予想していた。だが、さわってみて、その生々しさに、脈打っている熱さに驚いた。おまけに広瀬が触ったことでさらにぐっと反り返り硬さをましたのだ。とっさに手を引っ込めようとしたが、東城につかまれた。
東城は、広瀬の手ごと自分の性器をにぎり、動かし始める。手のひらの中で血管が浮いてくるのが感触でわかり、とろっとした液体が手に、手首に伝い始める。東城の荒い息が背中にかかった。最初はゆっくり動かしていたが、しばらくして動きを早めた。東城が喉の奥でかすかに声をだし、身体を震わせて吐精した。
東城は、広瀬を自分のほうにむかせると、キスをしてきた。そうしながら、身体をぴったりと密着してくる。手も足もからめてきた。
そして、首、胸への愛撫を続けてくる。東城の唇が触れるとそれがどこでも熱くなる。「あ」声もこらえきれず喉からでてしまう。もう、どこに東城の手があり、どこを吸われているのかわからない。広瀬を乱すこの行為を終わらせて欲しい。でも、続けて欲しい。抱きしめていてほしい。
東城は、終始広瀬を気持ちよくさせることに熱心だった。広瀬は彼の手でもう一度絶頂を迎えた。そして、ぐったりとし、東城が背中に唇を何度も落とすうちに、眠ってしまった。
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