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終わらない夜2*
東城は、広瀬をベッドに横たえた。
広瀬だけが、服をきていない。こういうのは、抱かれているようでいやなのだ、と広瀬は思う。実際には東城に抱かれているのだろうが、それでも自尊心がいやだといっている。
「東城さんも脱いでください」と広瀬はいった。
「それは、今日は、あとで」と東城に軽くいなされた。
彼は、サイドテーブルの上においてあるみたことのない小ぶりのプラスチックのボトルを手に取った。いつも広瀬が用意しているオイルローションとは違う。自分でもってきたのだろう。
広瀬はボトルと東城を目でおった。
「そんなに怯えた目でみるなよ。ただのホットジェルだから」
と東城がそのボトルの表示をみせてくれる。
「普通のローションもいいけど、これはちょっとあったかくなるタイプ。セックス用に作ってるからこういうの、ベッドサイドにおいとくと、便利だぞ。いつでも、気持ちよくオナニーできるし」と東城はいった。「あ、でも、お前はあんまりしなさそうだな。それに、これからは俺がいるから、する必要もないと思うけど」あるとしたら、俺が長期出張のときくらい?と話を進めている。
そうしながら、中身を少量そっと、広瀬の足の間にかけてくる。
思ったよりもどろっとした感触に、広瀬は身体を縮めた。最初はわからなかったが、じんと熱がでてくる。その熱だけで感じてしまいそうだ。
東城は手をのばし、広瀬の性器をなでた。ぬるぬるした感触が気持ちいい。広瀬は、すぐに自分の中心が固くなるのを感じた。東城は、やさしく丁寧に触れてくる。なでるように触られて広瀬の腰はさらに刺激が欲しくなった。ジェルのヌチヌチという水音としか聞こえないのが恥ずかしい。
東城は、もう一方の手で、ジェルを胸にたらし、指で広げ、乳首をジェルでべとべとにさせてから、うごかした。
「ああ、、、」広瀬は、ため息をついた。「ん、、、」気持ちがよくて、声がでる。腰も胸も自然にうごいてしまう。
東城のやっていることは頭にくるが、身体はどうしても気持ちがよく、反応してしまう。
「きれいだ、広瀬」と東城の低い声がした。
いつのまに目をつぶっていたのだろう。
東城の声に、あ、と目をあけると、彼がじっと自分を見下ろしている。
広瀬は赤くなった。全部こんなふうに見られるのは恥ずかしい。
「灯り、消してください」、という声が、かすれている。
東城は、灯りのリモコンを手に取った。ジェルが少しリモコンにつく。スイッチをおしたが、少し輝度をおさえただけで、暗くはならなかった。
「顔見ながらやりたいんだ」と東城は言った。「お前がいくとき、どんな顔するか、みたい」
「そんな」広瀬は、口をあける。「どうして?」そういいながら、東城の手がうごきやんわりと袋をなでたので、「あ!」と腰をはねさせた。
東城は、広瀬の横に身体を横たえ、顔にキスをおとしてくる。額に、頬に、目じりに唇がふれる。
「すごく、きれいだ。お前、自分のこと知らないだろ」と東城はいった。「感じてる顔もっとみせて」耳たぶをなめられた。「首が赤くなってる。かわいいな」と言われた。
広瀬は性器の先端をいじられながら、袋もやさしくもまれた。広瀬は、また、声をだした。「あ、東城さん」こらえきれない。東城の手が触れ始めてからそれほど時間がたっていないのでにもう我慢ができなくなり恥ずかしい。
「いきたい?」と東城がきいてくる。広瀬はうなずいた。何度も。
東城は、広瀬の性器をつつみ、強めにこすりあげてくれた。
だんだんたまらなくなってきて、広瀬は東城の腕にすがった。
ドクっと身体がうごき、彼の手の中に放つ。動きをゆっくりにしながら、東城は、全部でるようになでてくれる。すこし、快感がおさまるまでに時間がかかった。
その間も東城が自分から目を離さなかったのを広瀬は知っていた。自分は目を閉じていたくなる。東城と目があったら、恥ずかしくてどこかにいってしまいそうだ。自分のいく顔をこんなにしげしげとみられるなんて。
「気持ちよかった?」と東城はきいてくる。広瀬はこんなになっているというのに、言葉をきかなければわからないというのだろうか。
「なあ、目あけて」と東城がねだってくる。「広瀬の目、みせて」
広瀬は、目をあけた。東城が自分をみている。真剣な目だ。広瀬と目があって彼は笑顔をみせた。深い、広瀬の好きな幸福な笑顔だ。
彼は、広瀬に顔をよせて、キスをしてきた。
「広瀬、服ぬがせて」と東城がねだってくる。
「え?」
「俺の、服」と彼はいった。「俺、手がジェルと広瀬のでべとべとだし、それに、誰かに脱がされるほうが、楽しいだろう。やらしい感じがして」といった。
広瀬は、東城が手をだしてきたので、ポロシャツのボタンをはずし、すそをもつと首からシャツをぬいてやった。上半身がでてくる。
「下も、脱がせて」と東城はいう。
広瀬は、いわれるままに彼のイージーパンツの腰をつかみ、ゆっくりと引き下げた。
「あ」おどろいて、反射的に手をひっこめてしまう。
東城の性器がすでにかなり大きくもりあがっていて、ボクサーブリーフから先端がとびだしていた。
東城は、喉の奥でわらうと、足元でたまっているイージーパンツを床に落とした。
「全部、脱がせて欲しいんだが」と東城はからかうようにいう。「触るの怖い?」
広瀬は少しむっとした。ちょっと自分のが大きいからって、自慢が過ぎるだろう。彼は、手をのばして、東城のどこで買うのか知らないが、こういうのを演出するためだろうローライズのボクサーブリーフの端をつかみ、おろそうとした。
「広瀬、もう少し、色っぽくできない?」と東城がいう。「なんか、お前、それじゃあ」
「はあ?」広瀬はいう。「どうしろっていうんですか?」
「うーん。たとえば、口でおろしてくれるとか?脱がせる前に触ってくれるとか」と東城がいう。
「脱がせて欲しいんじゃないんですか?」広瀬は鼻の頭にしわを寄せた。
「そうだけど、さ、広瀬。こういうのは、なんていうか、イマジネーションだろ。どれだけやらしくできるかっていうか。お互い楽しめるかっていう」
広瀬は、無視することにした。
そうはいっても、無理に引きおろして痛くしてはかわいそうなので、ゆっくりと、下着をひきはがしていく。
彼のかさのある性器がでてくる。明かりの中でははじめてみる。広瀬は、東城の下着をぬがしながら、つい凝視してしまう。広瀬がじっとみているせいだろうか、鈴口からプっと小さなしずくがでてくる。
思わず、そのしずくに、広瀬は口をよせ、舌でなめとった。
その後は、自分でもどうなったのかよくわからない。気がついたら、東城の性器を口に入れ、しゃぶっていたのだ。大きさがあるので、全部をくわえことむことはできないが、丸い先端を口に含むと、東城の先走りがたれてくるのがわかる。
東城はなにもいわなくなった。広瀬が上目遣いでみると、驚いた顔半分、気持ちよさそうな顔半分がいりまじった顔をしている。広瀬は、口で出し入れしながら、両手で棹にふれ、自分の唾液でぬらしながらしごいた。
ただでさえ大きかった東城の性器が、口の中でかさを増す。舌をうごかしてなめていると、自分の下半身もしだいに重くなってくる。なめながら「ん、ん、」と声をだしてしまう。
何度も口の中でしごきながら動かしていると、東城が突然体勢をかえて、腰をひいてきた。口からはなれてしまうのが不満で、おいかけようとしたが、東城は、彼を片手で制し、もう片方の手で自分のものをしごくと、大きく息をしながら精液を自分の手にだした。東城が陶然とした顔をしている。彼はしばらく余韻を楽しんでいた後、広瀬をだきよせ、キスをしてきた。舌を入れて、口の中をかきまわし、すわれる。広瀬も彼の舌を吸った。舌を動かすと、彼が絡めてくる。それもここちいい。
広瀬は目をぎゅっととじた。身体がまだ熱い。どうしたらおさまるのかわからない。キスだけでは足りない。もっと欲しい。
広瀬は東城にしがみついた。彼も腰を抱き返してくれた。
しばらくすると「広瀬」と東城が呼びかけてきた。目をあけるとのぞきこまれた。「なあ、もう一回だけ試してもいいか?」
「え?」広瀬は目を開けた。予期せず涙がぽろっと右目から落ちる。東城はその涙を唇でとらえた。
「ここ。もう一回だけ」東城の手が広瀬の臀部に触れた。広瀬の身体はびくっと動く。
「明日も仕事なんですけど」と広瀬は答えた。前回と同じになるのは困る。
「ひどくはしないから」東城は既にジェルを指につけている。「前は、やりかたがよくなかったんだ。もっと気持ちよくなれて、翌日にもひびかないようにする。調べたんだ。何が悪かったのか」例によって真面目な口調だ。
「調べた」広瀬はつぶやく。前もそんなこと言ってた。この人、なにを熱心に調べてるんだろ。この情熱はどこからくるんだろう。
「初めてなのに、無理やり長い時間したから」と言う。「休憩しながらしたほうがよかったんだ。ま、この前は俺がパニクってて休憩どころじゃなかったんだけど、今日は大丈夫だと思う」
「東城さん」広瀬は彼の言葉をさえぎった。「東城さんの見てる参考書、かなり怪しいと思いますよ」
東城は声を出して笑った。「そうかもな」と言う。そして、再度聞かれた。「だめ?」
「いいですよ」と広瀬は言った。返事をしただけで、自分の中が彼を求めきゅっとうねるような気がした。
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