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中学生の弟に欲情する俺は絶対におかしい。
なるべく茄治と顔を合わせないようにしようと思っても、気付いたら目で追っていた。そんな自分に嫌気が差す。
抱かれたいとか思ったらもう重症で、夢にまで出てくる。
おかずにして、風呂でナニることもしょっちゅう。しかも、後ろの孔に指を入れてみたりしてしまうから始末に負えない。
ここに茄治のを入れたらどうなるんだろうとか考えている自分は、変態だと思う。
思春期とかそんなレベルではなく、多分茄治だからなんだ。
茄治と会うまでそんなこと思ったことなかった。自分は女じゃなくて男がいいんだとは薄々気付いていたけど、それだけだった。クラスの男に好みの奴はいなかったし、抱かれたいとも思わなかった。
エロ本とかにもさほど興味はなかった。BLとかゲイビにはちょっと興味あったけど。
サイトでやり方とかをみたりして、ローションも用意した。だからってそんなことできるとも思ってなかったけど。
授業中や家事をしながらもそんなことを考えてる自分は、本当にどうしようもないと思った。
茄治の母親が遅いときは俺が夕飯を作る時もあって、二人きりの夕食は気まずさを通り越していた。
所在なげにじっと茄治を見ていると、
「何?」
と聞き返されて我に返った。
「味、大丈夫?」
「普通」
と言いながら残さず食べてくれるから、思わず顔がほころんだ。
「兄さん」
「え?」
考えを見透かされた気がして一瞬ビクッとした。
「片しといて」
「あ、うん」
不自然な返事になっていないだろうかと気にし出したら終わらない。
部屋で二人きりになるのも怖くて、洗い物をして時間をつぶした。早く誰か帰ってこないかと待ちわびながら。
気持ちがバレやしないかと気が気でなかった。
「風呂、沸いてる?」
「沸いてる」
茄治が風呂に入ってやっとほっとした。
出てきた所を想像し出すとやばいので、鉢合わせなどしないように部屋で悶々と過ごした。宿題など到底身に入らなかった。その間に誰かが帰ってきて、やっと落ち着く。
そんな日々の繰り返しだった。
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