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 その後夜の回数が減った。俺は別に大丈夫なのに。 「倒れられたりしたら迷惑なんだよ」  と茄治は言う。  また倒れたりして、入院とかになったら大変だから仕方ないとは思う。でもやっぱり寂しかった。馬鹿みたいにバイトを入れた自分のせいなのに。  家を出るまで半年をきって、その間何回できるかを指折り数えた。  そんなことをしていたら、苦しくて、つらくて、茄治に普通の顔ができそうになかった。 「最近控えめじゃない?」 「そんなこと」 「疲れてるんじゃない?」 「そんなことない」  そうじゃないんだ。 「本当に?」  俺は肯いた。 「あんたいつも無理するから」 「無理なんか」  してない。ただ、茄治の切れ長の目も、俺を罵る口も、俺に触れる手も、俺の中に入れるものも、体も、心も全部欲しくてたまらない。  他の誰にも渡したくない。  それが無理なら、せめて抱いて。俺をめちゃくちゃにして。 「もっと、して」  つい口から出た。 「もっといじめて」  そう言ったら、うれしそうに茄治の口元が上がった。 「煽んなよ」  いつもよりもっと強く攻めてくれた。 「兄さんはどうしようもないね」  親にバレるかもしれないのに、電気をつけて、なめまわすように見られた。ちょっとつねられただけで感じる乳首や、熱を放ってる雄や、ぐちょぐちょにかき回された後孔を明かりの下でさらされるんだ。  恥ずかしいのに、それが快感で。 「あぁあっ」  声も出せないのに。 「やらしい顔してさ」  見せるのは茄治だけなんだ。  何度も寸止めされ、後ろだけでいかされ、前で達したときはもう絶叫するくらいやばかった。枕を咥えても聞こえるほど。 「声おさえてって」  唇を塞がれながら思った。茄治の舌も全部俺のものに。 「痛っ」 「ごめん」  つい茄治の舌を噛んでしまって、慌てて口を離した。 「責任取って」  また押し倒された。二度もやってたら、眠れなくなるのに。

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