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8-3
次の日の授業中はほとんど寝てた。
教師には勉強する気ないなら帰っていいなんて言われたけど。
放課後授業が終わったのにも気付かなくて、肩を叩かれた。
「まだ寝てんの?」
茄治だと気付いて慌てて顔をあげた。教室には他に誰もいなかった。
「バイトは?」
「あっ。今何時?」
「4時半」
5時からだった。学校からは自転車で十分。でも、帰ってる暇はない。
「そのまま行く」
「眼鏡何で外してるの?」
あっと思って慌ててした。机から落ちてなくて良かった。
「隙だらけなんだよ」
何を言ったか聞こえなくて、聞き返した。
「なんか言った?」
「別に」
何故か髪の毛を撫でてきた。
「気をつけなよ。あんたボヤッとしてるから」
「え?」
「働き過ぎて倒れんなよ」
茄治はそれだけ言って、行ってしまった。心配してくれたんだろうか。
昨日やり過ぎたせいかもしれない。
バイトから帰ったら茄治はもう寝てた。今日はないのかと思ってちょっと残念だった。
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