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高校の間にアルバイト先でスカウトされたホストを始めた。母と同じことをしてしまう自分が嫌だったけど。
給料もいいし、気が紛れるから。
源氏名とか考えるの面倒で、そのまま桔梗にした。名前からして源氏名っぽいし。母親もそんな感じでつけたのかもしれない。
雑用は大変で、体力がいる仕事だったけど、学生時代よりはよっぽど楽だった。
いちいち学校のために早起きしなくていい。それに家族の分の朝食作りと洗濯までしてたから、朝は大変だった。
一人は自由だ。
不満なのは、茄治がいないことだけ。
自分から離れたのに、何考えてるんだろ。これ以上一緒にいて、離れられなくなるのが怖かった。
最後のセックスを思い出しておかずにしてたけど、だんだんそれだけじゃ気が済まなくなってきた。
欲が溢れて止まらなくて、行きずりの相手を探した。一ヶ月も過ぎると、指名も取れるようになって、お店の後誘われることも多かった。女もいたけど、興味ないから丁重にお断りした。
いつも来てくれるハヤトって奴に抱かれた。ただ性欲の解消のために。
何回かやったけど、途中で来なくなった。忙しくなったのかもしれない。
一夜限りの相手もいた。
ただ茄治がいなくなった隙間を埋めるために他でごまかした。
意味なんかなかったけど、もう茄治に会うことはない。あれ以上恋い焦がれることは多分ない。
わかんないけど、茄治以上の奴とかいるわけない。
多分セックスの相性が良かったんだ。好きとかそんなのは恐れ多くて言えやしない。住む世界が違うから。真っ当な奴を巻き込んだら駄目だから。
会いたいとか思っちゃ駄目なんだ。何度も写真を消そうと思った。なのに消せない。せめて思い出だけでもなくしたくない。
どうしようもなく。誰とやっても満たされることなんかないとわかってた。
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