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14ー1

 茄治がなかなか起きないから、シャワーを浴びてた。 「兄さん?」  突然、茄治が風呂場のドアを開けて来た。こんな無防備なとこを見られて、とたん恥ずかしくなる。 「ちょっ、待、戻れって」  帰るように言おうと思ったのに。 「何今更。見られて困るものなんか」 「違っ。そうじゃなくて」  まずい。抑えられなくなる。家じゃまずいって。  このまま帰したくなくなるから。  それなのに何で茄治は脱いで入ってくるんだ。今までこんな風にまじまじと茄治の体を見たことがなかった。  程良い筋肉がついた琢磨体に欲情してしまう。 「たってるよ」  茄治はそんなことを言いながら唇を合わせてきた。 「入って来んなよ。帰れって」 「何で?」  俺のを触ってくる。それだけでやばい。 「体は正直だね」 「やめろって」 「何あの男がいいの?」 「違うって」  これ以上触れられたらおかしくなるから。 「兄さん」 「兄さんなんかじゃない」  もう、赤の他人だから。 「何? 桔梗って呼ばれたいの?」  良い兄さんにはなれないから。 「そういえば出てく前の日にそんなこと言ってた」  そういう問題じゃなくて。 「いなくなるつもりだったから?」 「茄治」 「生でやってとかさ」  そんな目で見つめないで欲しい。 「何で出て行ったの?」  今初めて聞かれた。 「それは、だから」  言っていいのかと口をつぐんだ。 「何?」 「怖かったから」  本当に怖かったんだ。 「茄治を壊しそうで」 「は?」 「いないと、生きていけなくなりそうで」 「何それ」  茄治は変な顔をした。当たり前だ。 「そんな風に思ってるの俺だけだから」  おかしいんだ。 「何言ってんの?」 「茄治には他にふさわしい人が」 「はあ?」 「駄目なんだよ。離れたくなくなるから」 「兄さん」  兄さんじゃないって。 「帰れって」 「無理」  キスして抱きしめられて、胸の突起を舌で転がされた。 「あ、いやっ」  つい喘ぎ声が漏れてしまう。  家でやったりなんかしたら、茄治がいない時におかしくなるから。ここに置いておきたくなるから駄目なのに。

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