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14ー2

「茄治、待」 「待てない」  茄治の舌が少しずつ下の方にずれてきて、股間の方まで降りてきた。  ペニスの先に舌が当たった。 「やっ」  声をあげても、茄治はやめてくれない。しかも、俺のを口に咥えてきたりする。今までそんなことしたことなかったじゃん。  おかしいだろ。 「せめて風呂出てさ」  言っても、放してくれない。 「茄治?」  だんだん刺激が強くなってきて、こらえきれなくて。 「ああっ」 「気持ちぃ?」  だからやばすぎるって。風呂場で、大きく口を開けて、俺のものを咥えてるなんてさ。そのシチュエーションだけでくらくらする。やばすぎて立っていられない。  つい尻餅をつくみたいに、後ろに座ってしまった。 「茄治、やばい。イっちゃうから」 「イけば?」  ちょっ。何言ってんだ。 「おかしいだろ。今までそんなこと」 「にいさ」 「ちょっ、あ、出る」  茄治の口の中に出してしまった。そんなことはじめてだった。  しかも飲むなよ。 「出せよ」 「何で?」 「汚いだろ。そんなの」 「兄さん飲んでたじゃん」 「俺はいいんだよ。俺は」 「意味わかんないし」  茄治が何考えてんのかわかんない。 「ねえ、酔っぱらってた時なんか言った?」 「や、何も」  嘘をついた。聞かなかったことにして終わらせられると思ったから。 「本当に?」 「茄治は俺のこと好きじゃないから」  大丈夫だって言いたかったんだ。 「何言ってんの?」 「もう、帰ろう」  忘れて。俺のことなんか。 「ふざけんな」  怒った顔も好きなんだ。 「俺はずっと誰ともやらなかったのに」  茄治? 「兄さんだけやってさ」 「だからそれは」 「俺、馬鹿みたいじゃん」 「茄治だと思ったんだって」 「は?」 「顔あんま見ないで茄治だと思って抱かれたんだ。ちょっとだけ似てたし、それに」  茄治にまた会えるなんて思ってなかった。 「もう、会わないと思ったから。我慢できなかったから。茄治じゃないと無理だってわかってたのに」 「兄さん?」 「だから兄さんじゃないって」 「桔梗?」  名前を呼んでくれたから、言っちゃ駄目な言葉を言ってしまう。 「茄治が好きなんだ」  好きすぎてどうしようもないほど。 「ずっと欲しかったんだ」  言葉が止まらない。 「だけど、怖くて言えなかっ」  最後まで言う前に口を塞がれた。 「俺も好きだよ。兄さんが」  茄治? 「ずっと離したくない」  今なんて……? 「茄治」    風呂を出たら、終電の時間だった。 「帰らないと」  茄治は名残惜しそうに言う。  茄治が行ってしまうと思ったら、つい口を出たんだ。 「帰らないで」  言ってしまったら駄目なのに。  学校があるのに。親に心配かけるのに。  駄目だってわかってても、止められなかった。

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