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16-3
シャワーを2人で浴びながら言った。
「今日は早く帰れよ」
「一回だけ?」
「親に怒られるだろ」
早く帰れと言われてたんだから。
「兄さんはそんなこと気にしなくていいの」
「気にするよ」
だって俺のせいで怒られたら、やっぱり良くない。
「俺がやりたいだけだし」
それは違うって。
「昨日だって、わがまま言っちゃったし」
帰らないでと言ってしまった。
「言えばいいじゃん」
茄治はちょっと怒ったように言う。
「もっとわがまま言ってよ」
そんなこと言われたらずっと帰したくなくなる。
風呂を出て改めて言った。
「明日さ、もう店で待ってなくていいから」
「兄さん!」
「これ」
合鍵作ったんだ。
「勝手に入っていいからさ」
鍵を渡すと今まで見たことのないような笑顔になった。
「何それ。すげえうれしい」
そんなことで喜ぶ茄治がかわいい。
つい抱きしめると、
「ちょっ、またむらむらしてきたじゃん」
とか言うのだ。
「心配かけちゃ駄目だって」
「じゃあこれどうすんの?」
さっきやったばかりなのに、服を脱いでたったのを見せつけてくる。
「でかい」
「何言ってんの?」
自分のものと比べたら大きいっていつも思ってた。
「あっ。ちょっ。待っ」
俺のも脱がされて、並べられる。なんか恥ずかしい。
「確かにね」
とか言うし。しかもしごいてくる。
「ちょっ、まっ、やっ」
やばいって。
「先いっていいよ。次やってもらうから」
「あっ、マジでやばっ。ああっ」
すぐに出てしまった。出たのを口でキレイにしてくる。
「茄治最近変じゃない?」
「何が?」
「俺の口入れたりさ」
今までしたことなかったのに。
「ん。だって、今までしてもらってばっかだし」
「いや、いいって」
「何で?」
「き、汚いから」
「そんなこと思うわけないじゃん」
だって、そんなのやっぱり俺の知ってる茄治じゃない。
「兄さんがかわいいから」
何を突然。と思って顔が火照った。
「とろけそうなほどかわいい」
そんなこと言う茄治はおかしい。
「そんなわけないって」
だって男だし。
「男なんかにさ」
「何言ってんの?」
「もっとかわいい女の子とかいるじゃん」
茄治が前一緒にいた子とか。
「はあ?」
「学校にいた子とか」
「そんなの」
茄治は変な顔をした。
「別に何もないし」
「嘘。だって放課後一緒に」
「あれは兄さんを煽りたくなったから」
「は?」
「気にしてんの見て喜んでた。言わなかったけど。性格悪いでしょ」
茄治のこういう顔が大好きで。
「そういうとこ好きだけど」
「兄さん」
茄治はにやっとした。
「手こきで我慢してあげようと思ったのに、やっぱ無理」
「茄治」
「兄さんのせいだからね」
再び押し倒されて、結局同じことの繰り返しだった。
夕飯は家で食べるように帰したけど、だいぶ遅くなってしまった。茄治が帰って、ほっと一息つく。
本当は帰したくなかったけど。そういうわけにはいかない。
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