12 / 51
運命なのかは後にして⑪
「はぁ…はぁ…はぁ…うわ!」
土師は、俺の両脚を持ち上げ尻の割れ目へ今出した体液を口から垂らし、窄みへそれを舌で塗り込んだ。
ええ!
「そんなところ…マジで…! む…り…!」
「こうしないと俺の入らない……」
入らない?……はぁ!?
ヌルヌルと舌が窄みへ出入りし、中を押し広げ唾液と体液と共に注ぎ込まれる。土師がそこへ指をゆっくりを入れた。俺は、その異物感に身体が逃げてしまう。
「……気持ち悪いですか?」
「……っ…分からない……」
「あの時の…なかった事にするんですか?」
「……覚えてないって…あっ!!」
土師は、中の指を奥まで入れゆっくり出入りを始めた。
「嘘つき……本当は覚えてるんじゃないですか?」
土師が掻き回す指を増やし、更に圧迫感が増す。中を押し広げクチャクチャと音を立てて乱暴に指を動かした。異物感と押し広げて入ってくる激しい痛みが一番奥を刺激する。
「…んっ……いっ…ん…い…て…ぇ」
指の動きが止まった。腹の中の異物感が出ていく。痛みで震える俺を土師の腕が強く抱き締めた。
「……すみません……こんなの……俺……また同じ事」
「 え……?」
「本当にあん時の事…覚えてないですか?」
「ああ……」
「本当に?」
「……全くって訳じゃねけど…それに近い」
「なんか勘違いしてるみたいなんで…言いますけど俺等…最後までしてない」
「へぇ?」
「だから、最後までしてない」
「はぁ?! それ言えよ!」
「いや…聞かなかったんで」
あの状況だとてっきりそうだと思うだろう普通……
「おまえ、突っ込んだとかなんとか言ってたじゃねぇか!」
「あ……それ指の話しですよ。痛がる相手と無理矢理するとかそこまて鬼じゃないですって」
「なんだよもう……」
「すみません…でも、安心しました? 良かったですね貴方のバックバージンは処女ままで」
「その言い方止めろ…生々しいわ!」
「例え、勘違いでも…見てるだけだった俺からしたら、接点を持てるならなんでも良かった。ただ側にいられるならって思って…欲が出た…俺、ソファで寝るんでベッド使って下さい」
土師の腕が俺から離れた。辛いのは俺の方なのに、なんで土師の方が辛そうなんだ……
「ああ! もう!」
なんかもう滅茶苦茶だ…ああ…取り敢えず…風呂入ろう……
「痛っ! クソ……」
バスルームに向かう途中、二人掛けソファに寝ている土師に声を掛けてた。
「そのまま…じゃ…風邪引くからベッドで寝ろよ…気にしねぇから」
俺は、バスルームに入りカランを捻った。土師が触った記憶が生々しく残る。腹の奥の半端ない違和感が不快なのに…強引に触れる土師の手は嫌じゃなかった。
「嫌じゃなかった……」
もっと取り乱してもいい筈なのに、思考までおかしくなっちまったか?
なんだ俺等…最後までしてなかったんか……
だからって、土師と俺との間に全く何もなかったなんで出来ない。本当は気付いていた。俺の日常に入り込んできて、ずっと四六時中考えていて、頭ん中…土師でいっぱいになってる。
それだけ土師に気持ち持ってかれてんのは事実で、もう以前の上司と部下には戻れない____
ともだちにシェアしよう!