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運命なのかは後にして⑬
「……充分です。貴方から好きだって言ってくれるまで…俺、頑張りますから」俯いてた土師が顔を上げ、泣きそうになりながら笑った。
本当、俺の事好きなんだな____
俺は、土師の目から落ちそうな涙を拭い、その頬にそっとキスをした。
「先輩……?」
あれ____? 俺、今…何した?
「いや……これくらいしてやってもいかなって」
「先輩……先輩!」 土師が俺を強く抱き締めた。
「…もう苦しい…放せって…退いた退いた!」俺は、抱き付く土師を押し退け、ベッドから出よとする俺の腕を土師が引っ張った。
「休んでいいって部長から連絡来ましたよ…だから…もう少しゆっくりしません?」
「しません!」俺は、土師の腕を払ってベッドから出た。
「ええ……さっきまでいい感じだったのに……」
ああ、もう恥ずかしいんだつーの!
「……っ!」下半身の痛みに足元が振らついて倒れそうになった俺を土師が支えた。
「大丈夫ですか?」
「だから…帰るんだよ。おまえん家に…責任取れよ」
「え…?……拓巳さん!」
「急に抱き付くな! 調子乗るな…っ!ちょっとは加減しろよ!」
「あっ……すみません。その分、手取り足取り責任取らせていただきます!」
「うぇ…それはいい……」
「そんな遠慮しなくていいですって」
毎日が同じで、特に良くもなく、不可もないそんな日常。これが運命なのか今はいいんじゃねぇかな____
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