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運命なのかは後にして㉟

   「ああ〜〜! 土師(は ぜ)くん神!」 俺のリクエスト以外にも、卵焼きに焼き鮭やほうれん草の和え物、それに炊きたてのご飯といったら日本の朝食定番メニューじゃないですか。 「あれ? 土師は、食べねぇの?」 「先に食べましたよ。あんた起こしたのになかなか起きないから」 「……ごめんって、いっいただきます…ん〜〜味噌汁…旨っ!」 「そうですか…それは良かった…って先輩、料理出来るのにやらなさ過ぎでしょう…冷蔵庫なんもなかった」 「だって自分の為とか面倒じゃん。食ってくれる相手がいるならまだしも」 「じゃ…俺に作って下さいよ」 「えっ? マジで…ん…昨日…迷惑掛けたしな」 「昨日ですよ」 「すみませんね! 毎度毎度…ご迷惑お掛けまして!」俺は、卵焼きを頬張り飯をかき込んだ。 「……分かってるなら学習しろよ…まっそこがお馬鹿で可愛いんだけど」   今、馬鹿とかなんとかって言ったか? 「おい、心の声…漏れてんぞ……」 「そうですか? 気のせいでしょう」 なんかしれっとクールなのが腹立つわ…… 「分かった…今度…作ってやるよ」 「今日がいいです」 「ええ〜〜買い物いかねぇといけないし」 「荷物持ちしますから」  渋々、俺は頷き最後の卵焼きを食べた。土師は、一旦帰宅すると言った。  最寄りの駅で待ち合わせしましょうと土師からメッセージが来て、俺は了解と返事をした。

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