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運命なのかは後にして 運命なのかは後にして㊳ | 永瀬 蓮の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
運命なのかは後にして
運命なのかは後にして㊳
作者:
永瀬 蓮
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運命なのかは後にして㊳
由樹之
(
ゆきの
)
は、疲れたのかまた目を閉じ寝てしまった。 病室の向こう側で話し声が聞こえ、ドアをノックし
結之助
(
ゆいのすけ
)
と
結之助
(
まきの
)
が入ってきた。 作業用の上着にスーツ姿の真樹之は、少し疲れた顔をしていたが、結之助と話をする姿を見て俺の見間違いだったようだ。
本当によく喋るオッサンだ……
「お疲れ様です。島野部長、今日は休日出勤だったんですか?」俺は、立ち上がり丸椅子に真樹之を促した。 「ああ、よくある機械トラブルだって仕事の話しはよせ…拓巳…もうプライベートだ」真樹之は、促した丸椅子には座らず、俺と結之助を見て笑った。
その姿できと来てよくゆーわ!
「由樹之はどうだ?」 「さっきまで起きたけど今は寝てるよ」 「そっか…由樹之は
志之
(
しの
)
が好きだったからな。相当ショックだったんじゃないか…で、拓巳はどうすんだ?」 「……会いにいくよ」俺は、真樹之から視線を逸らし俯いた。 「そうか、なんなら俺がついていってやろうか?」真樹之が、俯いている俺を覗き込んで揶揄うように笑った。 「止めてくれ…子供じゃあるまいし」 「そう怒んなって、相変わらず可愛くない。あっ結之助についていってもらえば? どうせ、おまえのことだから土壇場で逃げそうだし?」 「……うるさい…な」 「俺…いいよ…ついていっても」真樹之を睨む俺を宥めるように、結之助が腕を掴んだ。 「だってよ…拓巳。もう、おまえ等…帰れ。特に結之助はちゃんと帰りなさい」 「え……や、でも……」結之助は、心配そうに由樹之を見た。 「後は、
大きい兄ちゃん
(
真樹之
)
に任せなさい!」 「誰が大きい兄ちゃんだ。オッサンの間違いだろう」 「ああ? なんか言ったか拓巳?」 「もう…拓巳さんも真樹之さんも止めろよ…ここ病院なんだから」結之助が見兼ねて間に入った。 「ほら、帰れ帰れ」真樹之は、しっしっと俺等を手で払う仕草をした。 真樹之に病室を追い出さた俺達は仕方なく帰ることにした。 その帰りの電車で結之助が寝てしまい、俺の最寄りの駅まで着いてしまった。 「結之助起きろ」 「……あ、何処?」 「俺が降りる駅」結之助の腕を掴んで電車を降りた。 「なんか腹減ったな…何処か入るか?」 「いや、俺は」結之助のマスクを見て気付き「ああ…そうだ俺、適当に作るからうち来いよ」と言ったら遠慮がちに結之助が頷いた。 「その代わり荷物取ってな」 「……了解」 「よし!」
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永瀬 蓮
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