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運命なのかは後にして㊴

 俺達は、改札口を出て待ち合わせで人が多い広場を過ぎようとした。そこで俺は、知った顔を見付けた。   土師(は ぜ)……?! 待ち合わせの時間めっちゃ過ぎてるし! メッセージ送ったのに…… 「拓巳さん?」 「ちょちょっと待ってろ」 俺は、待ち合わせにした広場に走ってもう一度確かめた。植え込みの縁に腰掛けてるちょっと目立つ存在は確かに土師だった。  白色の長袖Tシャツにダメージジーンズ、赤いスニーカーイケメンは何着ても似合うな…… 「……土師? おまえ何してるんだ?」 「先輩…やっと来た」土師が突然、抱き付いてきた。「こら! 土師…土師! 離れろ!」俺は、必死で土師から離れた。 「急用出来たからってメッセージ送っただろ? なんでいんの?」 「そのメッセージが解読不明だったんで何度も電話したんですよ…出ないからなにかあったのかと思って」 「あっ病院だったから電源切ってた…って解読不明ってちゃんと送ったはず」  スマホを電源を入れ、送ったメッセージを確かめた。 急用出来たから行けなくなったごめん…待ち合わせは駅前の広場辺りで……って 「なんじゃこりゃ!」 「それはこっちのセリフです! いい加減慣れろよ!」 「俺は、電話派なの!」 「その電話も繋がらないんじゃ意味ないでしょう…それよりあれ誰?」じっと土師が見てる方を辿ると結之助(ゆいのすけ)もこちらを見ていた。 「結之助」俺が更に手招きして結之助を呼んだ。 「……拓巳さん俺やっぱり帰りましょうか?」 「大丈夫、これ会社の部下で土師くん。で、従兄弟の結之助」  互い軽く会釈して終わりって二人共人見知り全開かよ! 「今から飯作るからおまえも来い!」俺は、土師の腕と結之助の腕を掴んで引っ張った。 「「……え?!」」  反応が被り、ますます挙動不審な二人を横目に、俺は土師と結之助をスーパーへ強制連行した。

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