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店名は未だにない
オネェモドキのカフェには店名がない
店名を考え過ぎて時間がかかり
先に開けちゃって考えるわぁ
というオネェの無茶振りによって
店名のないまま開店営業を始めて
店名のないまま2ヶ月経っている。
そして人知れずオネェカフェと
呼ばれているが本人は知らない。
というお話
カランカラン
「はぁ〜い!いらっしゃぁ〜い」
「ってなぁにぃ!?王族って
チョー暇なの!?この前王子様来てた
ってのに今度は王様とかないわぁ」
「え?お忍び?親子揃って同じ事
言うとか血筋を感じちゃう!!
そして雑!!なにそれ!え?
本気で??前からやってた?マジ?」
「やぁだぁ!!王様ったらなぁにぃ!
もしかして金さん!?金さんなの??
え?金さん誰?身分を隠して市井で
悪いやつシメる人よーあっでも
金さんだと奉行だから新さんか」
「え?新さん誰?新さんは王様でぇ
身分を隠して悪さしてる領主の
しっぽ掴んで胡桃投げたり扇投げて
悪事の現場抑えて隠密に処せって
言う人よぉ」
「え?物騒??まぁ物語だしぃ
いいんじゃないのぉ?え?そうよ。
リアルでやったら捕まっちゃうわよ!
え?ここなら案外使えそう?
マジ?処すの!?やっだ!!
王様ヤバい!!!」
「え?王様って呼んだら意味ない?
あっそれもそうねぇ
じゃあ金さんにする?新さんにする?
え?何でこの2択?だって王様の
名前から取ったら不敬じゃん!!
え?すでに不敬だから気にすんな?
あらまぁ!!なら良いわぁ。
ならぁグレさんねえ!!」
「え?センスない??んまぁぁ!!
失礼しちゃうわぁ!!!凝ったら印象
深くなってすぐバレちゃうじゃないの!
え?後付だろうって?やだわぁ!!!
めっちゃバレてる!!ウケる!!」
「まーいーじゃないの!
いざって時出るのってそんなもんよ。
グレ太郎とかじゃないんだし」
「グレ太郎はひど過ぎ?
だからつけてないじゃないのぉ
王様ったら細かいわ!!」
「とりあえずアフォガードね
はいどうぞ」
「親子揃って同じメニューしか
注文しないって何?王家は
同じメニューしか注文出来ない呪い
でも受けてんの??意外にそれ
キッツいわよ」
「え?違う?なら良いけど。
けど案外いけるわね。
今度魔王が阿呆のお仕置きする時に
提案しとこうかしら」
「ホットミルクしか注文
出来ない呪いとかどう?
嫌?そう思えたら最高じゃない
やっぱ言っておこう」
「え?背負ってるの誰?」
「あぁこの子ねぇ。可愛いでしょう!
エルフの子供なのよぉ!!
けどねぇ目と髪が色が違うって事で
迫害受けちゃってねぇ。
むかーしにいた悪さした奴と
色が同じってんで死にそうだったのを
なら私がもらうわって貰って
きたのよー」
「え?大丈夫かって??大丈夫に
決まってんじゃないの!!
まー元々ヤバいのもいるけど
この子言う事聞くしねぇ
素直な子なのよ。それが分かれば
あとは育ち方だけじゃない?
だからうちで育ててんのよ。
おまけにオイタしても私と魔王が
いるのよ?いくつになっても
余裕ぶっこいてお尻ペンペン
してやるわぁ!!!」
「え?年頃になったらそれは
可哀想??お仕置きだからねぇ
それは仕方ないわぁ」
「それよりもよぉ!!!ちょっと
学園の話聞いたぁ??
いくらさぁプチ社交界って言っても
あんまりなドロドロ過ぎよぉ
おまけにプチ社交界とか言いつつ
親の言いなりとか社交してない
じゃないのよ。せっかく平和に
なってるのにないわぁ!!
ちょっと位青春しなさいよ!!」
「え?いやいや!!恋愛じゃないわ
あれは婚活よ!間違ってないけど
若さがなさ過ぎの婚活ヤバいわ
もうちょっとキャッキャウフフ
言いなさいよ!!!
情操教育も微妙なうえに親のコピー
とか伝言ゲームがどんどん酷くなって
歪曲して没落エンド迎える貴族が
増えそうで怖いわぁ」
「こういい見本の大人いないの?」
「昔の人にねぇ
やってみせて、させてみて褒めて
やらなきゃ人は動かないって
言ってた人がいたけど本当にそうよ
見本を見せて出来たら褒めて
出来なかったら出来るまで教える
のが大事よ!!」
「その人はね上に立つ者としても
素晴らしい事を言っていてね
話し合って承認してやって
任せてやらなきゃ人は育たない
って言ってたわ。部下をよく見て
出来るならやらせてあげつつ
サポートしてやるのも上の仕事
なのよねぇ。」
「その姿を当たり前として
受け止めるんじゃなくて
感謝の気持ちを忘れてはダメよね。
今思ってもめっちゃいい言葉
じゃないの!!結構魔王実践
出来てるわ!!」
「王様はどう?ちょっとは王子様と
話す時間作ってやんなさいよ。
本人から聞くのと文章で知るのは
違うわよ。本人のモチベーション
的にも良いと思うけどね。」
「やだーお礼なんて良いのよぉ!
王子様がトンチキ野郎にならなきゃ
頑張った私が報われるじゃない!
あと思う事があるのよ」
「女性蔑視激しくない?
男と不貞で婚約破棄になった
ご令嬢がいるらしいじゃない?
ご令嬢は悪くないのになんで
傷物扱いなのよ!!ご令嬢を
そういう風に言うなら男は
事故物件じゃない??
え?そのご令嬢??うちで
預かる予定なのよぉ」
「修道院とか行く必要ないじゃない
おまけに碌な縁談ないって言うし
そのご令嬢のお父様にね相談を
されたのよ。なら魔王のとこの
誰かとお見合いするかってなって
え?聞いてない?んまぁ昨日の話だし
近々話来るんじゃない??
今めっちゃいい男吟味中なのよ」
「私と魔王で先に確認してるから
圧迫面接くさいけど仕方ないわぁ
だってご令嬢とっても良い子だったのよ
なら穏やかな幸せを探してあげたい
じゃない?」
「まーそういう事で両国の架け橋
第2弾だから王様....ガ ン バ!」
ガタッ....カランカラン
「ありがとうございましたぁ〜
いやー調整間に合うと良いわねぇ
マジ男の方は事故物件って言葉を
ひっそり広めてやろうかしら
とりあえず王妃様に手紙書こう」
「にしても王様焦りすぎて
足ぶつけてウケる!!」
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