205 / 282

体育祭編『第11話*』

「あっ、あっ、あぁん!」  市川が後ろから腰を動かしてきて、夏樹はあられもない嬌声を上げた。  誰かに聞かれては大変だと思って、慌てて自分で口を押さえたものの、全身を襲う快感には抗えなかった。後ろから激しく突き上げられ、全身を乱暴に揺すぶられ、甘い痺れで爪先まで満たされていく。もう声を我慢するのが精一杯だった。 「んぅ、ふ……っ、く……ふあ……」 「ああ、いいわ。夏樹の中、やっぱすげー気持ちいい。春休み以来だから一ヶ月ぶりくらいか?」 「そ、そのくらい……だと……あっ、く!」 「だよな~。久しぶりだから余計に気持ちいいのかね? いくら玩具を作っても、本物のよさにはかなわないわ」 「……へ?」  サラッと言われた台詞に、一瞬耳を疑った。この変態教師、今何て言った……? 「お、玩具ってどういうこと……んっ!」 「いや、やっぱり夏樹と離ればなれになるのは寂しいから、お前の後ろを再現した玩具をこっそり作ってみたんだよ。よくあるだろ? 性器を象ったオナホ的なヤツ」 「はあぁっ!?」  思わず素っ頓狂な声を上げる。  俺の後ろを再現した玩具を作った!? 冗談だろ!? 確かに世の中には女性器を象った玩具……みたいなものが存在するけれど、まさか恋人モデルのものを自作するなんて前代未聞である。 (しかも俺のってことは、尻と孔の再現ってことだよね……?)  市川の変態っぷりは承知していたけれど、ここまで変態だとは思わなかった。  あまりの暴挙に、場所も忘れてつい怒鳴ってしまう。 「何してんですか先生っ! いくらなんでもバカすぎでしょ!」 「しょうがないだろ。夏樹のことが好きすぎて我慢できなかったんだ」 「そんなこと言って……あぁっ!」 「まあ、そう怒るなって。結構一生懸命作ったんだからさ。あ、せっかくだから後で見てみるか? 再現率ハンパないぞ」 「け、結構ですっ! この変態教師ぃぃ……!」  もっと罵ってやりたかったが、再び激しく腰を打ち付けられて、言葉が出なくなってしまった。

ともだちにシェアしよう!