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体育祭編『第11話*』
「あっ、あっ、あぁん!」
市川が後ろから腰を動かしてきて、夏樹はあられもない嬌声を上げた。
誰かに聞かれては大変だと思って、慌てて自分で口を押さえたものの、全身を襲う快感には抗えなかった。後ろから激しく突き上げられ、全身を乱暴に揺すぶられ、甘い痺れで爪先まで満たされていく。もう声を我慢するのが精一杯だった。
「んぅ、ふ……っ、く……ふあ……」
「ああ、いいわ。夏樹の中、やっぱすげー気持ちいい。春休み以来だから一ヶ月ぶりくらいか?」
「そ、そのくらい……だと……あっ、く!」
「だよな~。久しぶりだから余計に気持ちいいのかね? いくら玩具を作っても、本物のよさにはかなわないわ」
「……へ?」
サラッと言われた台詞に、一瞬耳を疑った。この変態教師、今何て言った……?
「お、玩具ってどういうこと……んっ!」
「いや、やっぱり夏樹と離ればなれになるのは寂しいから、お前の後ろを再現した玩具をこっそり作ってみたんだよ。よくあるだろ? 性器を象ったオナホ的なヤツ」
「はあぁっ!?」
思わず素っ頓狂な声を上げる。
俺の後ろを再現した玩具を作った!? 冗談だろ!? 確かに世の中には女性器を象った玩具……みたいなものが存在するけれど、まさか恋人モデルのものを自作するなんて前代未聞である。
(しかも俺のってことは、尻と孔の再現ってことだよね……?)
市川の変態っぷりは承知していたけれど、ここまで変態だとは思わなかった。
あまりの暴挙に、場所も忘れてつい怒鳴ってしまう。
「何してんですか先生っ! いくらなんでもバカすぎでしょ!」
「しょうがないだろ。夏樹のことが好きすぎて我慢できなかったんだ」
「そんなこと言って……あぁっ!」
「まあ、そう怒るなって。結構一生懸命作ったんだからさ。あ、せっかくだから後で見てみるか? 再現率ハンパないぞ」
「け、結構ですっ! この変態教師ぃぃ……!」
もっと罵ってやりたかったが、再び激しく腰を打ち付けられて、言葉が出なくなってしまった。
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