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体育祭編『第14話』
急いで帰り支度をして、夏樹は学校を出た。
着替えて教科書を鞄に詰めるだけならすぐに済んだのだが、市川にたっぷり犯された直後だったため、普通よりも時間がかかってしまった。まったく……抱くのはいいけど、時と場所を考えて欲しい。
腰の疼痛と戦いながら、校門から出る。やいなや、見覚えのあるワゴン車がスーッと近づいてきてすぐ隣に停車した。
「おう夏樹、遅かったな。乗れよ」
「……はいはい」
何事もなかったように近づいて来るので、夏樹も当たり前のように助手席に乗り込んでやった。そう言えば、京都に行った帰りにもこの車の中でやられまくったんだ。
(というか、あの時とったアソコの型……一体どうなったんだろ……)
恋人のオナホを自作するような変態教師だ。嬉々として作っているに違いない。
もっとも、受け側の男性器を作ったところで攻め側にはあまり関係ないような気もするが……。
(まさか、大量に作って部屋にコレクションなんてしてない……よな?)
自分の模型が棚にズラリと並べられている光景を想像して、車の中でゲロりそうになった。
「先生、あの時の型は……」
「ん? なんだ?」
問い詰めたい衝動に駆られたが、答えを聞いたら本当にゲロりそうだったので、夏樹は首を振ってごまかした。
「……いや、なんでもないです」
「えー、なんだよぉ! 気になるじゃんか~!」
そう言いつつも、爽やかに笑い飛ばしている市川。この顔だけ見ていると、とても変態MAXの言動をとっている人物とは思えない。
(まあ実際にコレクションしてたとしても、この変態教師はやめてくれないだろうしね……)
今更何を言っても無駄だと思い直し、夏樹はフロントガラスに目を向けた。
市川が運転する車に乗り込むのも、随分久しぶりに思えた。
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