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体育祭編『第20話*』
「……って、やってることが全然違うじゃないですか! ケーキ食べるんじゃないんですか!?」
「食べるよ。夏樹に盛りつけながら」
「はあぁッ!? 何言ってるんですか! 先生バカなんじゃないの!?」
「バカかもな~♪ 夏樹と一緒にいると、つい羽目を外したくなっちゃってさ~」
「ちょっ……嫌だっ! 放してくださいよ!」
「まあまあ、そう言わずに。ちょっとおとなしくしててくれ、な?」
「あっ……!」
あっという間にシャツをめくられ、首元までたくし上げられる。暴れる脚をまとめて捕らえられ、するりとズボンを脱がされて、下着も一緒に取り払われてしまった。
「このケーキ、かなり変わった色してるよな。真っ赤なクリームとか、一体何で色付けてんだろ?」
と、市川が買ってきたケーキを取り出す。
あの業務用スーパーは外国の商品も多く仕入れており、日本ではあまりお目にかかれない食材もたくさん取り扱っているのだ。
このカラフルなケーキも、アメリカのスーパーマーケットで売られている商品らしく、かなり毒々しい色に仕上がっている。いかにも身体に悪そうだ。
「あっ、やっ! やめて……!」
市川が指にクリームを取り、剥き出しになった胸の突起に塗りたくっていく。
(って、これじゃ先生の誕生日の時と同じじゃないか!)
あの時も生クリームを身体に――ものすごく恥ずかしい部分に塗りたくられ、それをシェービングクリーム替わりに使われた挙句、下の薄毛を全部剃られてしまった。あの恥辱は今でも忘れられない。
夏樹は市川の肩を一生懸命押し返した。
「ちょ、そんなの塗らないでください! 食べ物で遊んじゃだめだって、何度言えばわかるんですかっ!」
「堅いこと言うなって。これ盛りつけてるだけだし。最終的に全部味わうんだから、いいだろ?」
「いいわけないでしょっ! そもそもケーキの食べ方おかしいですってば!」
「まあまあ、ちょっとおとなしくしてろって。あまり暴れると変なところもクリームまみれになっちゃうぞ?」
「あっ……!」
更にシャツを脱がされ、体育倉庫の時と同じように腕に絡めて手枷にされてしまう。
市川は相手の服をサッと脱がせて、手枷や足枷にするのが得意なようだ。本当にしょーもない特技ばかり持っている。
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