215 / 282

体育祭編『第21話*』

「そうそう、そのままじっとしててくれよな」  鼻歌混じりに、赤い生クリームを塗っていく市川。  ピンク色の乳首だけでなく臍の周り、股間にもたっぷりクリームを塗られてしまい、隠微な感覚にぞくぞくしてしまった。身体もだんだん火照ってきて、柔らかなクリームがとろりと溶け始める。 「あぁ、いや……ベタベタする」 「そりゃあ生クリームだからな。でも白い肌と赤いクリームがすごく綺麗だぞ」 「っ、もう……バカ、変態……!」  体育倉庫に続き、家でこんな風にやられるなんて、今朝の段階では全く予想もしていなかった。  市川に会えたのは嬉しいけど、たまには普通の恋人みたいに普通のデートをしたい。こんな変態プレイじゃなくて。 「あ! ついでだから、この機にいろんな道具の使い方を勉強しようか」 「……はい?」  市川が自分の鞄の中を探り、見覚えのある道具箱を取り出した。いかがわしい玩具が大量に詰め込まれた、大人のお道具箱だ。それを見たらげっそりしてしまった。 「どれがいいかな~? せっかくだからあまりやったことないプレイがいいよな」  楽しそうに中身を選別している市川。  やがてある道具を取り出すと、ニヤリと笑いながら夏樹に見せつけて来た。 「なあ夏樹、これなんてどうよ? 絶対お前に似合うと思うんだ」 「……いや、ちょっと待ってください。それってまさか……」 「ああ。見ての通り、尻尾付きのアナルプラグだ」 「はあァッ!?」  さすがに驚いて目を見開いてしまう。  市川の手に握られているのは、犬みたいなフサフサの尻尾がついた黒い楔だった。これが噂のアナルプラグか……と凝視しそうになり、慌てて顔を背けた。 「いいだろ、これ? 確かまだペットプレイはしたことなかったもんな。耳付きカチューシャもあるから、これも一緒に着けてみようぜ」 「はあっ!? なんでですか! それはいらないでしょ!」 「まあいいじゃないか。ついでだと思えば」

ともだちにシェアしよう!