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体育祭編『第22話*』

「ついでじゃないっ! 俺、そんなペットみたいな扱いは御免ですっ!」 「大丈夫だって。痛い事はしないから。それになんだかんだ言って、お前もいじめられるの好きだろ?」 「いつ誰がそんなこと言いましたか! 変態プレイも大概にしないと……」 「まあまあ。変態と付き合ってる相手もまた変態ってことでさ」 「なっ……!? ちょ、やだっ! やめて……!」  慌てて逃れようとしたけれど、市川に触れられた瞬間、反射的に背筋がぞくぞくしてしまった。もはやパブロフの犬だ。  耳と尻尾を付けるまでもなく、自分が「犬状態」であることを思い知らされる。 「よしよし、いい子だな。そのままおとなしくしてろよ~?」 「あ……、うっ!」  頭に耳付きカチューシャを付けられ、次いで、ずぶっ……と後ろの孔にアナルプラグを突っ込まれる。思った以上の太さがあり、反射的に身体が細かく震えた。フサフサの尻尾も一緒に揺らめいた。 「うん、いい格好だ。可愛いよ、夏樹」  満足げに笑った市川が、大きめの手鏡を見せつけて来た。  そこに写った自分の姿を見て、夏樹はかぁっと頬を染めた。官能的な顔をした自分の頭から、犬の耳が生えている。恥ずかしいったらありゃしない。 「可愛くない……っ! なんで俺がこんな格好を……」 「まあまあ、そんなに怒るなって。たっぷり気持ちよくしてやるからさ」 「気持ちよくなんて……、あっ?」  怒鳴りつけようとした矢先、身体に食い込んでいた楔が急に振動し始めた。そのせいで、ぶつける言葉が喉元で引っかかってしまった。 「あっ、あっ、あっ! な……なん、なんですか、これはぁ……っ!」 「これ、もともとは遠隔操作用のバイブなんだよ。既製品の尻尾付きアナルプラグだと振動付きのやつがすごく少なくてさ~。気に入ったものが見つからなかったから、自分で改造しちゃった」 「っ!? か、改造って……うっ、ん」 「まあ、バイブに犬の尻尾くっつけただけだけどな。でもよくできてるだろ?」 「あぁっ……!」  一際振動が強くなり、思わず腰を反らす。

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