「待っ……先生、待っ……！　激し……い！」 「そうか？　これくらい全然平気だろ？　むしろ足りないくらいじゃないか？」 「そ、なこと……やっ！　あ、だめ、また……ひぃッ！」 　何度目かの痙攣が襲ってきて、飲み込み切れなかった唾液が唇からあふれた。 「はは……ホントにイきっぱなしだ。一度メスイキしちゃうとエンドレスにイっちゃうって本当だったんだな」 「っ……ひあぁん！」 　狭いバスルームに自分の嬌声が反響した。女性のように甲高く、甘ったるい声だった。それと同時に粘膜がぐちゅぐちゅと擦れ合う音も混ざり、恥ずかしさのあまり耳を塞ぎたくなる。 　にもかかわらず、身体は与えられる刺激を享受し、市川の楔を締め付けながら「もっと！」と訴えているようだった。 「……夏樹、すげぇ締め付けてるよ。やっぱこういうプレイ、好きなんじゃないか？」 「そん……好きじゃな……あぁっ！」 「でも身体は大喜びしてるぞ？　こうやって繋がってるとすごくよくわかる。気持ちよくてしょうがないんだろ？」 「っ……！」 「いいんだよ、それで。せっかくエッチしてるんだ。素面じゃ絶対言わないような淫語とか、いっぱい言って欲しいな」 「っ……うぅん……！」 　しこりになっている部分を一際強く圧迫され、甘美な痺れが全身を駆けめぐった。毒のような快楽に犯され、頭まで溶けてしまいそうになる。 「ああ……そろそろイきそうだ。夏樹、いつもの台詞、言ってくれ……！」 「く、ださい……！　俺の中に……いっぱい、いっぱい……ぶちまけて……！」 　泣きながら懇願したら、ドクンと市川が大きく脈打った。二、三度大きく腰を叩き付けられ、身体の奥深くに熱いものが注ぎ込まれる。 　恋人の遺伝子を体内に受け入れたことで全身が歓喜に湧き、自然と繋がっている部分がきゅぅっと引き締まった。 「っ、っ……！」 　声にならない絶頂を迎え、がくがく身体を震わせる。あまりにイきすぎたせいで、何度極めたかもわからなくなっていた。 （ああ、幸せ……） 　身に余る幸福を噛み締めながら、夏樹は目を閉じた。