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跳び箱編『第11話*』
「はあっ……先生、もうやめ……」
湿った息を吐きつつ精一杯抗議したら、市川は手を止めてこちらを見た。何かを企んでいるような目で笑うと、ひょいと夏樹の身体を抱え上げた。
「あっ……あ、何っ……?」
戸惑う間もなく、跳び箱の上に寝かされる。慌てて起き上がろうとしたけれど、市川が軽く肩を押さえてきて身動きが取れなくなった。
「じゃ、今からもっと深いところをマッサージしていくからな。おとなしくしてろよ?」
「はっ……?」
跳び箱の頭側に回られ、逆さまからジャージの下を脱がされる。下着も一緒に取り払われてしまい、勃ち上がった陰茎がぶるんと外に飛び出した。濡れた陰部が外気に当てられて、少しひんやりした。
「なっ……! やだ、やめて……っ」
また手で弄られるのかと思い、夏樹は本気で動揺した。
焦って首を持ち上げたら、いきなり目の前に男根がボロリとこぼれてきた。ぎょっとして反射的に身を引いた。
自分のものより一回り以上大きい市川の欲望が、目と鼻の先に突きつけられている。
「ちょっと先生! 出てる、出てる!」
「出してるんだよ。お前だけ露出するのは不公平だろ?」
「はあっ!? なんですか、その理屈は!」
「あ、興味があるならお前も俺のものを弄っていいからな」
「誰がっ……」
そう怒鳴りかけたが、官能的でエロティックな匂いがして思わず唾を飲み込んだ。
慌てて唇を硬く引き結び、顔を背けたけれど、
「っ……」
ぐいぐいと唇に先端を押しつけられ、官能的な匂いが余計に強くなった。
ズキン、と身体の芯が疼き、自然と唾液があふれてくる。目の前の肉棒が美味しそうなアイスキャンディーに見えてくる。
(うう……)
舐めちゃダメ、舐めちゃダメだ。こんなことしたら自分から市川を受け入れたのと同じになってしまう。この教師はあくまで補習の名の元に生徒をレイプする淫行教師なんだから。別に俺は、こんなことしたいわけじゃないんだから。
だから、だから……。
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