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性活指導編『第7話』

 心からの悲鳴を上げた、その時。 「おい、何してるんだ!」  ガラッと勢いよくドアが開き、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。途端、男たちが慌て始めた。 「やべっ、市川先生だ!」 「逃げろ!」  我先にと夏樹から離れ、ドタドタと走り去っていく男三人。  市川はそれを追おうともせず、慌ててこちらに寄って来た。 「夏樹!」  目隠しの布を外し、口のハンカチをも抜いてくれる。 「夏樹、大丈夫か? しっかりしろ!」  市川の整った顔がこちらを覗き込んでくる。いつもは爽やかな顔が、今は怒りと不安でいっぱいになっていた。 「せ、せんせ……」  見知った顔が視界に入った途端、張り詰めていた糸がぷっつり切れてしまった。  恥も外聞もなく、夏樹は市川にすがり付いた。 「よしよし、怖かったな。でももう大丈夫だ。俺が守ってやるから、な?」 「……せ、が……るい……です……」 「え? なんだって?」 「先生が悪いんですっ!」  感情を抑えきれず、闇雲に市川を叩く。 「なんでもっと早く助けに来てくれなかったんですか! 先生が俺をこんな風にしたから……、先生に抱かれたせいで、俺……俺……!」 「夏樹……」 「責任取ってくださいよ、バカぁ……っ!」  怒鳴りながらボロボロ涙をこぼす。頭はもうパニック状態で、ただ市川に当たり散らすことしかできなかった。  すると市川はそっと夏樹を抱き締め、耳元で囁いて来た。 「……そうだな、俺のせいかもしれない。ホントにごめんな」 「せんせ……」 「ここじゃなんだから、今夜は俺の家に来ないか? そこでいろいろ話しよう、な?」  無言で小さく頷いたら、彼は優しく髪を撫でてくれた。

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