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保健の授業編『第8話*』

(うう……また変態教師にしてやられた……)  改めて、市川の用意周到さに舌を巻く。変態プレイのためなら裏で手を回すことも厭わない。筋肉馬鹿を装っているけれど、この人、実はものすごく頭がいいんじゃないかと思えてくる。  もっとも、そんな頭脳があるなら他のところに使えよ、と思うのだが……。 「……で? どうする、夏樹? これ噛んどく?」  口を塞ぎながら、市川がボールギャグを見せつけてくる。「どうする?」などと聞いているが明らかに口元がニヤついており、最初から噛ませる気満々だということが窺えた。 (……この変態教師!)  どうもこうも、この状況ではギャグを噛まないわけにもいくまい。情けない話だが、市川とのセックスで声を我慢できた試しはない。  仕方なく夏樹は、小さく首を縦に振った。不本意だが、誰かに見られてしまうよりは余程いいと思った。  すると市川はにこりと笑みを浮かべて、 「……うん、イイ子だ。じゃあなるべく声出さないようにな」 「んっ……」  と、夏樹の口に丸いギャグを押し込んできた。そしてぐるりと後頭部にベルトを通され、しっかりと口に固定される。 「よし、こんな感じか。夏樹、きつくない?」 「んん……」  きつくはないけれど、口を塞がれているのは違和感が拭えない。穴が開いているので呼吸は普通にできるが、思うように声が出せないというのは意外と不自由なんだなと思った。  だけど、それと同時に妙な興奮が沸き起こってきて、直接触れられてもいないのに欲望が勝手に頭をもたげてしまった。 「お? 夏樹、もうビンビンになってるじゃん。この状況、意外と燃えてくるだろ」 「うっ……!」  ピン、と市川に屹立を弾かれ、夏樹は喉を詰まらせた。

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