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保健の授業編『第20話』

「おお、夏樹。起きたのか」  振り向くと、そこにはソファーに座ってくつろいでいる市川がいた。  あれ? と思って自分自身を見下ろすと、既にキチンと制服を着せられていた。後始末も済んでいるようで、当然の事ながらゴムも外されている。 (始末だけはちゃんとしてるんだよなあ……)  腰の痛みと戦いつつ、夏樹はベッドから下りた。  市川が言った。 「じゃ、放課後は図書室で勉強でもしててくれ。仕事終わったら一緒にうちに帰ろう」 「いいですけど、ここまでしたら家での補習は必要なくないですか?」 「いやいや、それとこれとは別だ。せっかくフェラの予習したんだ。忘れないうちに家で実践しとかなくちゃ。な?」 「はあっ!?」  この期に及んでまだやる気満々の市川に絶句してしまう。  冗談じゃない! こっちは既にもう腰が痛いんだ! これ以上ヤったら、また明日登校できなくなっちゃうだろうが!  腰痛での学校欠席なんて御免だ……と腹を立てたが、 (……いや、待てよ? さっきのがフェラの予習だとすれば……)  自分がやられたことを思い出す。口で前を刺激されるだけかと思いきや、それだけでは終わらなかった。両脇の大事なところを揉まれた挙句、後ろまで弄られる羽目になった。  前と後ろを同時に攻められて頭が吹っ飛びそうになったが、あれが予習だというのなら実践する時も同じようにしてやらなければなるまい。  そう考えたら、思わずニヤリと笑みがこぼれてしまった。 「……どうした、夏樹?」 「いえ、なんでもないです。早く仕事終わらせて来てくださいね」  市川にいいように弄ばれているのはシャクだ。たまには仕返ししてやらなくては。  夏樹は家での補習授業を想像し、勝手に心を躍らせたのだった。

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