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冬休み編『第4話*』
「……何が目的なんですか」
なんとかそれだけ尋ねると、河口はニヤリと笑いながらこう言った。
「別に? 俺も笹野とやりたいだけだ」
次の瞬間、夏樹の唇は河口のそれに塞がれていた。
慌てて首を振って逃れようとしたけれど、両手で顔を押さえられてより深く口づけられる。
「んっ……やめ、せんぱ……」
「いいじゃねぇか。お前、センセとはつき合ってねぇんだろ? つまり、つき合ってもいない相手にやらせてるってことだろ? だったら俺にもやらせろよ」
「そ、れは……んんっ!」
この場合、つき合っていることを認めたところで結果は同じだろう。河口の目的は夏樹を犯すこと。それができれば、口実なんてなんでもいいのだ。
ただその口実は、「市川との関係をバラす」という最悪なものだったが。
「んっ、ふ……あっ」
ようやく唇が離れ、夏樹は肩で大きく息をした。
口元を乱暴に手の甲で拭い、ニヤついている河口を睨み付ける。
「……どうして」
「受験生にはストレスがつきものだろ? 毎日毎日好きでもない勉強を強要されてりゃ、ストレス発散もしたくなるわな」
……なんて迷惑な理由だろう。そんなの、夏樹には全く関係ないではないか。
「……文化祭をサボって茶室付近にいたのも、真面目にやりたくなかったからですか」
「別に文化祭なんてどうでもいいだろ。遊びみたいなもんだし。俺一人くらいサボったところでたいしたことねぇよ」
「…………」
こういうタイプとは絶対相容れない……。
「あっ……!」
屋上の金網に押し付けられ、夏樹は顔を歪めた。ベルトを緩められた直後、するりとズボンを下ろされ、次いで下着をも下ろされてしまう。
寒空の下で下半身を剥き出しにされ、思わずぶるりと肩を震わせる。寒い。
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