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冬休み編『第8話*』
「やべ……俺、もうイきそうだ。中に出していいよな?」
「なっ……!? ちょっ、それは……あっ!」
それは嫌だ……と言おうとしたのに、一際強く腰を叩き付けられて言葉を掻き消されてしまった。
そのまま容赦なく抽挿を繰り返され、ドクンと河口が脈打った。
「っ、っ……んんっ!」
腹の奥で河口の欲望が放出された。じわじわと体内に他人の熱が広がっていく。
ぶるりと肩を震わせながら、夏樹は湿った吐息を漏らした。
「はっ……」
くそ、すっかり中まで汚されてしまった。俺の中に出していいのは先生だけだったのに。
後で念入りに洗わなくては……と思いながら、ぼんやりと寒空を見上げる。
(先生、ごめんなさい……)
今日はもう、あなたの家に行けそうにありません。こんなことをされた後にあなたに会ったら、我慢できずに泣きついてしまいそうで……。そうなったら、先生はクビ覚悟で河口を殴りに行くでしょう。俺はそんなことして欲しくない。先生がクビになるなんて絶対嫌だ。
だから先生を守るためにも……しばらく先生には会わないようにしなきゃ……。
「……もう満足したでしょ。早く抜いてくださいよ」
と、肩越しに河口を睨み付ける。
だが彼は打ち込んだ楔を抜く気配もなく、それどころか再び腰を掴んでこう言った。
「何言ってんだよ。まだ一回しかしてねぇじゃん。本番はこれからだろ?」
「えっ!? ちょ……あっ!」
力を取り戻した欲望が、夏樹の体内を抉っていく。
(お、お願いだから、早く終わって……!)
夏樹の瞳から一粒涙がこぼれた。
心の痛みと戦いながら、夏樹は必死に歯を食いしばった。
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