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冬休み編『第12話*』

「ほら、気持ちいいだろ? なんなら一回イっとくか?」 「んんっ……!」  河口が荒っぽく手を上下させる。  払い退けたかったけれど、後ろで両腕を縛られているため、倒れないようバランスを取るのが精一杯だった。  口の中の欲望もドクン、と脈打ち、こちらもそろそろ限界だということが窺える。 (だ、だめ、出ちゃう……っ!)  ごくり、と喉を鳴らした次の瞬間、視界が真っ白に灼けた。白い太ももが震え、溜め込んでいた熱を高々と噴き上げる。勢い余って自分の胸元まで白濁が飛び散ってしまった。  同時に口を犯していた肉棒も素早く引き抜かれ、熱い飛沫を顔にぶちまけられる。どろりとしたものが頬から滴り落ち、ポタポタと床にシミを作っていった。 「う……」  全身から力が抜け、ふらりと前のめりに倒れ込んだ。  ぜいぜいと肩で息をしていると、河口が背中に腕を回してきた。そして耳元で囁いてくる。 「なんだよ、もう限界か? お前、ホント体力ねぇな」 「はあ……はあ……」 「まあでも、そういうところも可愛いんだけどな」 「…………」  何が可愛いだよ、この野郎……と、心の中で毒づく。  俺は好きであんたに犯されてるわけじゃない。あんたが脅してくるから、仕方なく身体を貸してやっているだけだ。あんたに「可愛い」なんて言われたって、嬉しくもなんともないんだから。  俺が好きなのは……本当に好きなのは、あの筋肉馬鹿の変態教師だけ。 「あーあ、いいよなー。お前はいつも笹野に突っ込めてさ」  と、河口の友人が文句を言う。 「オレもたまには下の口に挿れてぇよ」 「まあ待てって。それはこれからのお楽しみにしようぜ。とっておきのプレイを考えてんだ」  とっておきのプレイ? 夏樹はぴくりと肩を震わせた。  今度は一体何をするつもりなんだろう。嫌な予感しかしない。

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