126 / 282

冬休み編『第13話*』

「……あっ!」  刺さりっぱなしだった河口が急に腰を揺すってきて、嬌声がほとばしった。 「あっ、あっ……あぁあっ!」 「へへ……イったばかりだから気持ちいいだろ。イイ声出てるぜ?」 「うぅ……んっ! ん、く……はあぁっ」 「……と。俺もそろそろ出すからな? 残さず飲み干せよ」 「いやぁ……っ」  ドクン、と体内で河口が脈打つ。  あれから何度となく中出しされてきた。彼の性欲が尽きるまで体内に熱を注ぎ込まれ、腹が膨れ上がってしまったこともある。  それに河口は市川と違い、ヤったらヤりっぱなしで後始末は何一つしてくれなかった。さんざんヤられて気絶しても、その間に掃除しておいてはくれない。汚れたところを片付けるのは夏樹、身体を綺麗に洗うのも夏樹だ。  百歩譲ってそれはいいとしても、中に出された後の不快感がいつまでも残ってしまうことはどうしても嫌だった。どんなに一生懸命洗ったところで、奥の奥に出されたものはなかなか掻き出せないから。  今にも爆発しそうな気配を感じつつ、夏樹は首を振ってすすり泣いた。 「あぁ……いやだ、中は……中はやめてぇ……!」 「今更何言ってんだ。これまで何回も出されてんのに」 「あっ、うっ!」 「……さあ、出すぞ」 「いやぁぁ……っ!」  夏樹の悲鳴と同時に、腹の奥で河口の熱が弾けた。じわりと他人の熱が広がっていく感覚が気持ち悪い。これもまた中出しが嫌な理由だ。  相手が市川だったら、何をされても幸せになるのに……。 「ん……く……」  ずるっ、と河口のものが引き抜かれていく。  ごぼり、と白濁が緩んだ後孔から漏れたが、入口を締める元気もなかった。  その時、ピーンポーンと家の呼び鈴が鳴った。

ともだちにシェアしよう!