127 / 282

冬休み編『第14話*』

 ハッとして夏樹は顔を上げた。 (もしかして……?)  だが淡い期待を込めて上げた顔は、一瞬にして真っ青に変化した。 「おう、来たか! こっち来いよ」  バタバタと数人の足音が近づいてくる。  リビングに入ってきたのは、期待していた人物ではなかった。河口の友人と思しき三人の学生だった。 (う、そ……)  河口が呼んだ友人は全部で三人。新たな三人に加え、もともとここに二人いる。  ということは、俺はこれから五人もいっぺんに相手しなきゃいけないってこと……?  さすがに血が凍り付き、夏樹はリビングの床を這って逃げようとした。 「おい、どこ行くんだよ」  だが、両手を後ろで縛られていては逃げることもできず、あっさりと一人の男に髪を掴まれてしまう。  そのまま床に引き倒され、夏樹はジタバタと脚をばたつかせる。 「いやだっ……! もうムリ……!」 「何言ってんだよ~。オレら、今来たばっかなんだぜ?」 「本番はこれからだよな~?」 「あっ……!」  くるりとうつ伏せに押さえ込まれ、ぐいっと顔を上げさせられたかと思うと、目の前に男のシンボルを突き付けられる。 「ほら、舐めろよ」 「っ……!」  五人の男に囲まれた挙句、腕の自由を奪われていては抵抗することもできない。  夏樹は嫌々ながらも口を開け、男のものを含んだ。青臭いフェロモンが気持ち悪くて吐き気がした。 「じゃ、俺はこっちに挿れさせてもらうぜ」  別の男が夏樹の尻を高く抱え上げ、そのままズブッと肉棒を突っ込んできた。 「んぐぅ……っ!」  衝撃にくぐもった悲鳴が漏れる。  後ろから腰を叩き付けられ、夏樹はぶるぶる身体を震わせた。いくら体力の限界でも、挿入されると身体が勝手に反応してしまう。そんな自分が憎らしくなる。

ともだちにシェアしよう!