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冬休み編『第16話』
それから数日後、クリスマスがやってきた。街は華やかに色づき、どことなく楽しそうな雰囲気が漂っている。
「…………」
そんな街から遠ざかるように、夏樹は静かに自分の部屋に閉じこもった。
冬休みに入ってから食欲がなく、何をする気力も湧かなくて、ただ寝て起きてぼーっと過ごすといった日々が続いた。
(河口さえいなければ、今頃先生とデートしていたはずなんだよな……)
せめてもの慰めに、叶わなかった妄想を脳裏に描いてみる。
朝から晩まであの変態教師と一緒なのだ。美味しいものを食べさせてもらって、欲しいものを買ってもらって、夜はたっぷり可愛がられて……。
「……っ」
想像した途端、ズキンと後孔が疼いた。それに呼応するかのように、心臓もズキズキ痛んできた。
(先生……)
今となっては、彼のイチモツが恋しい。以前はしつこいくらい抱かれてウザくなることもあったが、触れられなくなると急に市川が欲しくなってしまう。
本当にこのまま、河口の受験が終わるまで我慢できるのだろうか。まだ数日しか経っていないのに、身体はもう市川を欲してしまっている。彼にバレないようにしなければならないのに、だんだん自信がなくなってきた。
なんか本当に辛い……。
その時、急にスマホの電話が鳴り出した。びっくりして画面を見たら、そこには「変態教師」の文字が並んでいた。
(先生……!?)
どうしよう。出るか、無視するか。今の精神状態で電話に出ても、ロクな受け答えができない気がするのだが……。
あれこれ迷ったものの、結局恋しい気持ちには勝てず、夏樹は通話ボタンをスライドしてしまった。
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