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冬休み編『第34話』
さて、どの先生に話を聞くのが一番手っ取り早いか……と考えた時、パッと思いついたのが保健室の藤枝先生だった。
確か彼は市川とも懇意にしており、夏樹とつき合っていることもなんとなく察していたみたいだった。
藤枝先生なら、実家の場所を教えてくれるに違いない。
「藤枝先生、いますか?」
夏樹は早速保健室に入り、藤枝先生に詰め寄った。
「先生、教えてください。市川先生の実家ってどこにあるんですか?」
「笹野くん? いきなりどうしたんだい?」
「どうもこうもありません。とにかく市川先生の実家の住所を教えてください。次の土日で行ってきますから」
「ええと……とにかく一端落ち着こうか。何があったのか説明してくれるかな」
仕方なく夏樹は、簡単に経緯を説明した。
藤枝先生はある程度事情を察してくれているようだったが、全てを洗いざらい打ち明ける勇気はさすがに出なかった。
なので「市川と話をつけに行く」という理由ではなく「借りっぱなしの大事な道具を返しに行く」という理由にすり替えておいた。
「なるほどね。それで市川先生の実家に……」
藤枝先生は顎に手を当てて唸った。
「僕も正確な住所を知っているわけじゃないんだ。ただ、市川先生は京都出身だってことは聞いたことあるな。なんかご実家はお茶やってる家みたいで、いろいろしきたりがあるらしくて……」
「わかりました! ありがとうございます!」
「あっ……笹野くん!?」
そこまでわかっていれば、あとはなんとかなる。夏樹は保健室を飛び出し、スマホをいじりながら帰路についた。
こうなったら、何が何でも実家の場所を探し出してやる! 待ってろ、変態教師!
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