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番外・正月編『第2話*』
慌てて自分で取り出そうとしたが、市川に両腕を掴まれ、背中に回されて服の袖で縛られてしまった。
「んんっ、んー!」
何するんですか、と首を捻って睨み付けたが、当の本人は素知らぬ顔。どうやらこのまま抱く気満々らしい。
「そんなに睨むなよー。たまには背面からやるのもいいだろ?」
(いいわけないでしょうが、この変態!)
身体の自由が利かないのは苦手だ。その上、口まで塞がれてしまっては、抗議も何もできないではないか。
そう言いたかったのだが、残念ながらキング・オブ・変態教師には通じなかった。
「心配するなって、ちゃんと気持ちよくしてやるからさ。時間はたっぷりあるんだし、いろんな体位でやってみようぜ?」
「っ……!」
いろんな体位って、一体どこまでやるつもりなんだろう。まさか四十八手全部実践したりはしないだろうな……?
そこはかとない不安を覚えていると、市川はくるりと夏樹の身体を裏返し、尻だけ高く抱え上げてきた。
市川の呼気が尻に当たり、ぞくりと背筋が震える。
「夏樹、相変わらず可愛い尻してるよな。柔らかいだけじゃなくて、ほどよい弾力もある。俺の好みそのものだよ」
「んっ……ふ……っ」
「揉んでるだけで興奮してくるわー。いきなり挿れちゃっていい?」
「っ!?」
慌ててぶんぶんと首を横に振る。
挿れるのはいいが、少し解してからにして欲しい。
いくら慣れているとはいえ、乾いたままの状態で突っ込まれたくはない。変態プレイはともかく、苦痛を味わいながらの年越しは勘弁してもらいたかった。
市川は苦笑しながら、言った。
「冗談だって。さすがにそんなことはしないよ。乾いたまま挿れたら、俺も痛いからな」
……だったら最初から聞くなよ、と言いたい。
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