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番外・正月編『第4話*』

「んんっ! う、ぐ……っ!」  喉の奥に先端が当たって、反射的に噎せそうになった。  口いっぱいに入り込んでいる肉棒は見た目以上に質量があり、歯を立てないようにするので精一杯だ。とても舌を使う余裕はなく、溜まった唾液がダラダラと唇の端から顎を伝ってしまう。  どうすればいいかわからず、市川を咥えたまま固まっていると、 「……どうした、夏樹? 何固まってるんだ?」 「だっ、て……」 「舌を使って舐めればいいんだよ。簡単だろ?」 「簡単じゃない、れす……」  一体どれだけ大きいと思っているのか。市川は少し自分の大きさを自覚した方がいい。だいたい、こういうのは練習しようと思ってもできないし。 「よし、わかった。じゃあ夏樹のために、とっておきの練習道具を貸してやるよ」  突然そんなことを言い出し、市川が自分の部屋から黒い道具箱を取って戻ってきた。いかがわしい道具が取り揃えてある、大人のおもちゃ箱だ。  げっそりしながらそれを眺めていると、彼は中から男根を模った玩具を取り出した。ますますげっそりした。 「なんですか、それは……」 「決まってるだろ。俺の男のシンボルを模った玩具だ。平たく言えば、俺のチ○コの模型だな」 「……は? いや、ちょっと待ってくださいよ? 今『俺のチ○コの模型』って言いました?」 「ああ、言ったけど。それがどうかしたのか?」 「どうかしたじゃないでしょっ! なんでそんなもの持ってるんですか!」  既製品ならともかく、自分のオリジナルを模した玩具なんて聞いたことがない。  いや、この変態教師なら大人の玩具をオーダーメイドすることもあり得るが、自分の性器を型取りするなんて前代未聞だ。いくらなんでもドン引きである。  だが市川は、涼しい顔をしてこう言った。

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