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番外・正月編『第7話*』

「こら、勝手に出しちゃダメだろ。一応、フェラの練習してるんだから」 「んんっ! ぐ、うう……ふ……っ!」 「というか、この逆だったら跳び箱の補習の時にやったことあるじゃないか。上の口で俺を舐めて、下に玩具を咥えるヤツ。あの時から夏樹にはかなりの素質があったよな。こんなの練習すればすぐできるようになるから、もう少し頑張れ」 「う……」  当たり前のように言われて、夏樹はポロリと涙をこぼした。 (素質がなかったら……俺、今どうなってたかな……)  受け側の素質がなくて、見た目ももっと平凡だったら、きっと市川に目をつけられることもなかったのだろう。  普通の高校生として普通に勉強して、これといった色恋沙汰もなく、普通に大学に進学していたと思う。  ある意味、そちらの平凡な人生の方が幸せだったかもしれない。  もっとも、今はこの刺激的な生活が癖になってしまっているけれど……。 「んんっ……!」  一際強く腰を叩き付けられ、夏樹は弓なりに背中を反らせた。  思考力を吹き飛ばすくらいの苦痛と快感に襲われ、次第に頭が麻痺してくる。下半身が重苦しくなり、狂おしいほどの快感がうねって、いつの間にか口の中の玩具にも舌を絡ませていた。  自分でもはしたないなと思う。市川とつき合わなければ、こんな自分にはならなかったはずだ。市川に開発されたせいで、俺はこんなに淫乱になってしまった。 (それでも俺……先生から離れられないんだよな……)  毎回毎回夏樹の度肝を抜く変態っぷりを見せてくれるけれど、それでも別れようという気にならないから不思議だ。  欲しい物は何でも買ってくれるし、夏樹が癇癪を起こしても年上の余裕で受け止めてくれる。先生なら何があっても、最終的には助けてくれる……そういう安心感が魅力なのかもしれない。 「う、ふ……んぁあ……っ」  ズン、と最奥を突き上げられたところで、ガクンと顎が跳ね上がった。はずみで口から玩具がつるりと飛び出した。

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