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春休み編『第19話*』

「やっ、あ……ちょっ、待っ……ああぁっ!」 「夏樹、好きだ……愛してる……。みんなにはいろいろ言われるだろうけど……だからって、こんな気持ちのまま別の女性と結婚するのも相手に失礼だもんな。やっぱりお前以外の嫁なんて、俺には考えられない」 「何を今更……あっ!」  力の抜けた両腕を取られ、背中に回されて手綱のように掴まれてしまう。 「ひンッ! んっ、く! あぁん、あっ!」  手首を捕まれながら何度も同じ角度で中を突かれ、夏樹は恥も外聞もなく乱れ泣いた。  全身の肌がざわざわ粟立ち、頭のてっぺんまで甘い痺れに飲み込まれる。内側から快感を覚える度にぶるぶる太ももが震え、勃ち上がった陰部から先走りがポタポタ滴った。 「はあぁっ……! も、だめ……またイっちゃ……!」  再び絶頂の気配を感じ、ビクンと上半身が大きく跳ね上がる。脊髄反射のような痙攣に二、三度襲われた後、がくりと畳に上半身が落ちた。  ぜいぜいと荒い呼吸を繰り返し、半開きになった唇からだらだら唾液がこぼれ落ちる。 「あ、出さずにイっちゃったか。よっぽど気持ちよかったみたいだな」 「はぁ……はぁ……ああ……」 「メスイキもちゃんと覚えててくれて嬉しいよ。身体で覚えたことは忘れないってことだな。偉いぞ、夏樹」  後ろからくしゃ、と頭を撫でられ、思わず胸がキュンとなった。  同じことをされても、好きな人とそうでない人とでは感じ方が百八十度違う。  河口たちから犯されても不快なだけだったのに、市川の場合は、ちょっと触れられただけで逐一幸せを感じてしまう。 (やっぱり俺、とことん先生に惚れてるんだな……)  まあ、この実家の敷居を跨いだ時点で、自分の気持ちは確定しているのだが。

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