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春休み編『第37話*』
「っ……あ! ん、く……あぁん」
激しい抽挿が始まった。振り落とされないよう脚を市川の腰に絡め、爪を立ててしがみつく。
(ああ、この手触り……好き……)
弾力のある背中の筋肉が好き。服を着ている時はわからないけど、裸になる度に「この人すごいな」と思い知らされる。水泳部の顧問をしていただけあって、筋肉のつき方も綺麗だ。
いいところを突かれながら彼の筋肉を堪能するのは、夏樹の密かな楽しみである。もちろん、からかわれるから口に出したことはないけれど。
「うっ……! ん……ふ、あぁ……」
「……夏樹、今日は一段と締め付けがすごいな。昨日より粘膜が吸いついてくる」
「そっ……なこと、言わなくていいです、あぁ……!」
「それだけ名残惜しいってことかな。ああもうマジで可愛い。このまま離したくなくなってくるわ」
「っ……だったら、離さなきゃいいでしょ……! というか、今度離したら一生許しませんからね……っ!」
「……ああ、そうだったな」
市川がゴリッと最奥を突き上げて来た。めまいがするほどの快感に襲われ、一瞬気が遠くなった。
「あぁ、ああぁ……せんせ、はげし……!」
「ああ……マジでたまんないわ。どうせなら、夏樹の模造品も作っておけばよかった」
「……えっ? 模造品って……あん!」
「ああ、これだよ。前に使ったことなかったっけ?」
と、車内に備え付けてあった収納ボックスの中から、大人の玩具を取り出した。それは男のシンボルを模ったもので、通常よりもややサイズが大きく見えた。
「……って、それはまさか……」
「そう、俺の男性器を模ったオーダーメイドの玩具だよ。よくできてるだろ? これ、夏樹に貸してやるよ」
「はあっ!? いりませんよ、そんなの……っ!」
「なんで? これがあれば、寂しくなっても慰めになるじゃん。遠慮せずにとっとけよ」
「遠慮じゃありません……っ!」
冗談じゃない。何が悲しくて、そんな玩具で自分を慰めなきゃいけないのか。そもそも、これを鞄に入れて持ち帰ること自体かなり恥ずかしい。
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