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第12話 ※

「んっ…ぐ、んぁぁ…ッ!」 抑制剤を最後に飲んでからもう何時間経ったっけ? 昨日、帰ってきて、篠宮がシャワーを浴びているのを見てから飲んだのが最後…。今は…昼?あと何時間持つんだ…。 「篠宮…。も"っ…苦し…っ。」 「ふふ。本当。佐伯のここ、なんだか膨らんでる気がするね。出したのも溢れてきてる。」 篠宮が俺の下腹部を撫で、また内側から抉るように突き上げた。 「ふぅ"っ…!」 溢れたような悲鳴を吐いた俺の目の前にはチカチカと星が飛ぶ。 昨日の夜だってしたのにまた朝から会社にも行かないで、疲れ果てゾンビのようになった俺を犯す篠宮。 腰の律動に合わせるように中から溢れて来たものやら何やらが混ざりグチュグチュと音が響いて、音までもが俺を犯した。 「待って!も…ィッ…ぁ"……っっ!!」 イッているのに篠宮は中にまで痕を残すように深く俺を穿ち、中がビクビクと痙攣したのが分かった。 ……もう嫌だ。 仕事は諦めるから、これが終わったら瀬尾くんの所に行くんだ。発情期が来るまで外に出ない。絶対に、瀬尾くんに番にしてもらうんだ……。 そう強く思いながら俺は1度意識を手放した。 そして次に目を覚ましたのは俺と篠宮のいつもの寝室。 マスタールームであるそこは、トイレを確認しても浴室を確認しても篠宮の姿は見えなかった。 漸く会社に行ったのか…。 置かれた時計は4時過ぎを示している。 ホッと息を吐いてから突然夕方から出勤してくる社長なんて迷惑極まりないだろうなと思いながら部屋を出ようと取っ手に手をかけた。 しかしそれはガンッという音と強い抵抗と共に阻まれた。 「………え?」 扉が、開かない。 「え?なんで?は…!?」 ガチャガチャと強く、狂ったように取っ手を下げては扉を押すが、外側から鍵をされているようで開く気配が無い。 「篠宮っ…!!」 俺を外に出さない。 そんな強硬手段に出た篠宮。 篠宮に部屋に閉じ込められるのは高校生の時も初めての会社を辞める前もあったので初めてではなかった。 しかし今回は状況が違う。 俺はもうΩだ。抑制剤も無くこのまま部屋に居たら、いつか発情期が来てしまう──。 「抑制剤…!!」 今朝篠宮が俺に説明するために抑制剤を取り出したデスクの引き出しを開けて抑制剤を探すが、それらしいものは見当たらない。 一応トイレや浴室、クローゼットの中も見るが中は空で見当たるはずも無かった。 「……っ!」 篠宮は本気で俺を番にする気だ……。 嫌だ…。嫌だ!どうにか出ないと、どうにか逃げないと!! 窓は有るがベランダは無い52階に位置するこの寝室。窓からの脱出は不可能だからどうにか扉から出るしか無い。 以前、ちょっとしたものを道具に部屋を出たことがあるからか、篠宮は本当に必要最低限のものしか部屋に残していかなかったようだ。 スマホだって、当然置いてなどいなかった。 蹴破るか、体当たりで扉を開けるしか無い…。 「…!」 意を決してドンッと扉に肩から当たってみる。 当然、ビクともせず、ただ腕の辺りが打ち付けた痛みを帯びた。 脚で蹴ってみても脚が痛くなるだけ。 それでも、諦めることは出来なかった。

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