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第15話 ※
「発情期、漸く来たんだね。」
篠宮は部屋から漏れ出した匂いに気付いていたようで恍惚とした表情で扉を開けた。
なんとか匂いを誤魔化せないかとシャワーを浴びて全身を洗った俺は、浴室から戻ってくる頃には歩くこともままならなくなってしまっていて、ベッドの脇で這いつくばるようにして震えていた。
「ゃ、だ。来な…で!」
まだ抵抗を続けている俺に多少驚いた表情を見せた篠宮はすぐに笑みを浮かべる。
「大丈夫。すぐに楽にしてあげるからね。」
そう言いながら篠宮は俺をベッドに横たわらせるとキスをしてくる。
「ん……。」
気持ちが良い。αから受ける全てが気持ち良いのだと分かる。ずっと、触れていてほしい…。
「………、!」
だが急に正気の俺が戻ってきた。
このまま流されてしまえば、もう後戻り出来なくなってしまう。篠宮と番になってしまう。
篠宮が部屋に居る今、外から鍵はかけられない。
今がチャンスなのだ。今しか、逃げられない。分かっているはずなのに、またも体が俺を裏切る。
「ん、ゃぁ、…ッ。」
篠宮の愛撫に素直に反応する体。
「佐伯、ここ好きだよね。」
「ひぅ…ンぅッ…!」
俺の感じる場所を指で押しながら乳首に歯を立て痛みを与えられる。
そのまま指が中を攻めた。
「あ"っァァ、しのみや!しの…ッ!」
発情期の効果もあるのか、普段より早く吐精した俺に篠宮は満足そうに笑って白濁を後孔に塗り込める。そしてまたキスをされて唇を塞がれた。
「んん…、ふ…。」
やがて侵入してきた篠宮の固く張り詰めたモノ。
揺すられる度に俺の口から溢れる嬌声が普段より大きいのは、勘違いだと思いたい。
「佐伯、すごい。いつもよりナカ熱くて、絡みついてくる…!」
はぁ…と息を吐きながら嬉しそうに言う篠宮。
ガクガクと足が痙攣している。
先程から下腹部がぎゅうぎゅうと締め付けられているような感覚だ。
「…だ、ゃめ、て…。」
もうこんな言葉に大した効果が無いのも知っている。それでも少しでも篠宮を不快にしたくて、機嫌を損ねてもらえたらなんて思って俺は抵抗を見せる。
しかし篠宮はぐるりと俺の体を返すと後ろから俺に抱きついた。
「っ!?ゃ…、やだ!やめて!嫌だ!!」
何をされるのか分かって、慌てて項を手で覆うと今度こそ本気で抵抗する。
そんな俺にまた挿入して膝立ちのような体制にさせると篠宮は腰を抱えたままガツリと奥を穿った。
「ぁ"っ…、はッ…。」
目の前が一瞬白くなって、全身が指先まで震える。
ガクガクと小刻みに揺れる俺の胸や腹に手を回したまま篠宮が首筋にチュッと触れた。それに一際大きく体が揺れた。
「佐伯。これでやっと俺たちは結ばれるね。」
項に、痛みと、電流が走った。
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