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No.3
3.
「ユズです。よろしくお願いします。」
礼儀正しくお辞儀するユズにマイペースなケイがしゃべりだす。
「えー!かわいい!ユズくんって呼んで良い?めっちゃかわいい!!!噂のミナミさんの彼氏?」
「は、はい!」
「いっつもね~、ミナミさんがかわいい、かわいいってノロケてるんだよね~。」
「ケイちゃん!?はずいからいわんでよ~!」
「ユズくん、ミナミさんは浮気とかしてないからね~!俺が保証する!」
「僕も保証します。」
と、カナトが微笑む。
「あ、ありがとうございます。」
ケイのマイペースな喋りに圧倒されるユズ。
「これでわかってもらえたかな...?ユズのこと大切だから、こういう嗜好があってもそれを他の人としたら浮気だと俺は思ってるから俺はしない。ユズにその気がないのにこういうことをユズにしようとも思わない。
でも、こうしてたまにショーとかみたり、性的嗜好について話したりするのは許してほしい。」
「わかりました。疑ってごめんなさい。」
「これで一件落着かな?」
「ご迷惑お掛けしてすみません。お二人を巻き込んでしまって...。」
ユズは申し訳なさそうに謝る。
「全然大丈夫ですよ。」
「えー!大丈夫だよー!!」
笑顔で二人が答えた。
しばらくして、ミナミが電話で席をはずし、カナトが別のお客様のところへ移動しユズとケイが二人きりに...。
「ユズくんはさ、今日のショー見てどうだった?」
「え、えーと、なんか、えっちでした...。見ちゃいけないもの見てるような...。」
「んー、まあ人によってはえっちなことしてるからね。抵抗とかはなかった?」
「最初は怖かったけど...二人には信頼関係があるから委ねられるのかなぁとか思ってると怖いと言うより綺麗で...。」
「えー!本当!?綺麗だった!?」
「はい...とっても...。」
「そっかぁ、ミナミさんたぶん打ち明けるのにすごく悩んでたと思うからユズくんに受け入れてもらえて嬉しいと思うよ~。」
なにか文字を書きながら嬉しそうな顔をするケイ。
「はい!できた!」
≪SMbar・MooN
日曜定休日
水曜と金曜は
20:00~SMショー
土曜は17:00~18:00に
緊縛の講習会してるよ♪≫
ショップカードの裏にケイが手書きしたものをユズに渡した。
「もし、興味があるなら...ね?」
と、ケイはウインクをした。
「興味がないなら捨てて良いから!そろそろミナミさんが帰ってくるよ~。」
ミナミが席に戻ってきた。
「なに話してたの?」
「んふふふ、内緒。」
「ユズ大丈夫?セクハラされてない?」
ぶんぶんと頭をふるユズ。
「ひどーい!俺を何だと思ってるんだ~!」
「冗談だよ。」
そして、和やかな空気に包まれた。
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