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第16話

「サ、トウ……ユウジ。いつまで……そう、する」 「いつまでとは?」 「その……ゆび」 「あぁ。それは貴方が、自分から「ユウジのおっきいの、中にください」って言うまで、ずーーとこのままですよ?」 「殺す」 「はい『抵抗はしてはいけません』よ?」 「うぐっ」 優しくするなと言ったのは俺だが、やはりコイツは元々こういうやり方が好きなのだろう。 俺のプライドを逆なでしてくるような、俺の嫌がる顔を見ながらするのが……。 「うぅっ……く、そぉ」 「指だけでは物足りない」「早く欲しい」と言うだけでも抵抗したというのに。それなのになんだ?「ユウジのおっきいの、中にください」だと? 無理だ。死ぬ。 心が。 「ほらほら。言ってくださいよ」 「イッーーぁあ」 首筋を軽く噛まれると、そのままちゅ。とリップ音とたたせ強めに吸われた。 ちゅっ、ちゅ、とあちこち吸ってくる唇は、次第に耳元まで近づき、そのまま耳たぶを咥えると、舌を出して中を舐め回してくる。 「うぅっあぁーー」 耳から直接聞かされる濡れる音と生暖かさが、腰をぞわそわさせる。 最初の時も思ったが、コイツは焦らしプレイがうまい。 我慢させられるのがこんなにも苦しくて辛いなんて知らなかった。 ただ、限界まで我慢した後に貰える褒美の喜びは知っている。 「ユ……ウジの……」 「はい?」 「ッ……ユ、ユウジのおっきいの……中に……くださぃ……」 「はぁ~~~~……。最高ですよ。ブラッド様」 「ッーーーー!!」 先ほどの指とは比べ物にならない。熱くて太いユウジの性器が、ゆっくりと俺の中に入ってきた。 痛い。 苦しい。 けれど、俺の中で包み込まれたユウジの熱がドクドク脈打つごとに、少しだけ心地よさを感じた。 「ほら。全部入りましたよ」 「い、いちいち、いうな」 「貴方の中、凄く……気持ち良いです」 「っ、うる、さい。なにも、いうな」 震える手でユウジの口元を塞ぐが、呆気なく離され、指を絡め取られてしまう。 「ふっ。何も言わないで欲しいのなら黙っていますよ。でも最後に……今から激しくしますね」 「ひっーー」 瞬間。 言葉に表せないほどの刺激が走った。 「ーーぁあっ!!」 ユウジの腰が揺れるたび、背筋から頭のてっぺんにかけてビリビリと電流のような刺激が走り、頭がどんどん真っ白になっていく。 「うぁ、はぁ、んんっ」 短い呼吸を繰り返し、朦朧としていく意識の中、ただただ訪れる刺激的な快感を受け入れる。 何も言うなと言ったせいか、ユウジは腰を動かすだけで何も言ってこない。 聞こえてくるのは、ぱちゅぱちゅと奥を責めたてられる水音と、俺の不快な喘ぎ声。そして興奮で暴れる心臓の音。 聞きたい。ユウジの声。 意地悪な言葉でもいい。俺を見て、俺をもっと求めて。 「ユ、ウジィ……」 「っ……どう、しました?」 「なま、え……よべ」 「……そんな恋人みたいなこと、してもいいのですか?」 「いい、から……もっとおれを……みて、くれ。もとめて……くれ」 生理的な涙が溢れ、頬を濡らしていく。 最初はどうやって契約を切るか、どうやったらコイツに襲われなくて済むか、ずっと考えていたはずなのに。 今は、こんなにもユウジを求めてしまっている。 「ユウジ……」 「……ブラッド様」 「様は、いらない」 「……ブラッド」 互いに名前を呼び合う口が、ゆっくりと重なる。 最初の時とは違って、今のキスはとても気持ちがいい。 もっと求めあうように、もっと味わうように俺は舌を絡ませては、溢れる唾液を飲み込んだ。 「ふっ。可愛い……」 うっとりとした笑みを零し、俺を見つめるユウジ。 その首筋から汗がゆっくりと垂れていくのが見えて、思わず喉が鳴ってしまった。 「今日はこのまま、激しく……そして優しくしてあげますね」 そう言うと、熱い指先が俺の腰や腹を撫でまわしながら、暇を持て余した口で膨らんだ乳首を咥えてくりくりと舐め始めた。 「ひっあぁ!!まっ、ぅんっ!!」 自然と浮いてしまった俺の腰を両手で掴んで、ユウジは何度も何度も膨張した性器を俺の中で擦りつける。 「はぁっ、あっ」 「ふっ、ぅっ、んんっ」 互いの荒々しい息と、卑猥な水音だけが耳に繰り返し響いてくる。 時には言葉にならない叫び声をあげ、俺もユウジも絶頂に達するが。その後も、何度も何度もキスをしては抱きしめあい。俺達は、時間を忘れてしまうほどに互いを求め合った。

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