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第21話
「うぁ、あ、あぁっ」
「っはぁ……すごいですね、もうこんなにとろとろですよ。ここ」
「うぐっ、いう、なぁ……」
既に三回は出してしまった俺の精液を、手でねちゃねちゃと遊びながら、わざと俺に見せてくるユウジ。
そんな奴も、既に俺の中で二回は出してしまっている。
それなのに……一回も抜いてくれない。
「あっ!?そ、そんな、またっ、もうっ……むりぃ」
疲れ果てた俺を無視して、ユウジはずっと飢えた獣の様に、何度も何度もぱちゅぱちゅと音を立てて腰を動かしてくる。
あぁ……汗で張り付いたユウジの艶のある黒髪がやけに色っぽくて、俺を見つめてくる瞳もいつもより必死そうで可愛げがある。
俺は今、こんな男に抱かれているのか。
「ぃッ!!あ、あぁあっ!!」
ユウジの熱い性器が、中で溜まった精液を混ぜ繰りながら奥をコツいてくる。
それがまた凄くいい場所で、コツかれるたび全身に電流が走って、目の前がチカチカ光る。
息を吸うのもやっとで、思考も働かなくなっていく。このままでは意識が飛んでしまいそうだ。
「もう……へんに、なる……ゆうじぃ……」
「…………」
「……ゆ、うじ?」
熱く火照った身体が、倒れ掛かるように俺を抱きしめてきた。
肌から伝わってくる心音は、今にも飛び出してくるのではないかと思うほど、とても大きく激しかった。
「ブラッドは、僕の事……好きですか?」
「……えっ」
「好き、ですか?」
「そ、れは……」
「僕は、貴方が好きです」
「……は!?」
「貴方と一緒にいたい。これからもずっと」
突然の告白に、働かない頭がさらにパニックになる。
「好き」そう誰かから直接言われたのは初めてだ。
なんの捻りもない。誤魔化しもない。率直な言葉。
こうなってしまっては、俺も答えなくてはいけない。
奴の告白に、返事をしなくてはならない。
しかし何故、ユウジは今こんな時に俺の返事を聞こうとする?
こんな急かすように聞いてどうするつもりだ。
「お、れは……」
まだ。
今はまだ、言ってはいけない気がした。
俺の返事を聞いたら、ユウジは満足して消えてしまいそうな、そんな気がした。
「……はっ。この俺がそう簡単に答えると思うのか?」
「……言って……くださらないのですか?」
「ふんっ。そんなに聞きたいのなら、命令して無理矢理言わせればいいだろう?」
「っ……契約は使いたくないんです」
「ならば今回は諦めるのだなっアァッ!!」
ごりゅっ。と耳を塞ぎたくなるような音と共に、一気に奥へとねじ込まれ、押し込まれる。
「どうしてっ……貴方はまだ、僕が欲しい言葉を言ってくださらないのですか!!」
「かはっ、ぁっ」
あまりの衝撃に、息が止まる。
ユウジの怒りが、悲しさが、全て俺の中に流れ込んでくる。
「僕の事、好きなくせに……」
「……は、はは……じいしきかじょう、だな」
「……ブラッド。今日は『寝てはいけません』からね」
そんな命令だけを残して、ユウジは俺に齧り付くようなキスをすると、それからはただただ何かを満たすためにひたすら抱き合い。どこにぶつけていいのか分からない悔しさに、俺達は爪を立てた。
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