29 / 95

微※ 耳と尻尾

「耳と尻尾くらい誰でもある」 「・・・誰でもは、ないと思うぞ」 確かにその白い耳と尻尾はルゥ自身から生えていた。神経も通っているようで、ピクピクと動く耳やレジの腕に器用に巻き付く尻尾の動きにレジは目が釘付け状態だ。 忘れていたが、ルゥは産まれた時は虎の姿をしていたという。そしてレジは知らないようだが獣人は皆、耳と尻尾を出すことが出来るのだ。 驚いているレジを気にした様子もなく、ルゥは相変わらずすりすりと首筋に頭を擦り付けている。その姿が甘えてくる猫のようで可愛かった。しかし驚きで忘れていたが、ルゥは今下半身丸出しの状態であり、レジの手にはルゥの出した精液がべっとりとついている。 「・・・やり方はわかったか?」 レジはちり紙で手を拭いながら、相変わらず下半身丸出しの状態でレジにひっつくルゥに訊ねる。 「なんとなく。でも面倒だから次もレジがやって」 「はぁ!?」 当たり前のことのように言ってのけたルゥにレジは本日何度目かの頭を抱えたくなった。こういったことは人にやってもらうものではない。恋人同士ならまだしも、旅の連れに頼むことでは尚更ないだろう。 しかし、ルゥに頼まれたら次も手伝ってやるだろう自分の姿が容易に想像出来るのも問題だ。命令では無くても、ルゥのお願いには滅法弱い自覚がレジにはある。 そして何より困るのが、ルゥの色気に当てられてしまう自分自身だ。今回は突然生えてきた耳と尻尾に驚き意識を持っていかれたが、今でもレジの下半身には熱が残っている。なんなら、先程からずっと引っ付いてくるルゥのせいで更に熱が集まりつつあるくらいであった。 「レジ?」 「・・・わかったから、とりあえず服を着ないか?」 「ん〜」 引っ付いてくることに対しては素直に可愛いと思ってしまうので、とりあえず服を着ることを提案する。しかし何故かそれを躊躇う様子のルゥ。普段なら寒いからと言って必要以上に着込んでいるというのにどうしたというのか。 「もう一回やりたい」 「!?」 「レジのちんこも勃ってるし」 「っあ、こら!!」 いつの間に気付いていたのかルゥは若干反応しているレジのそれを躊躇いもなく掴んだ。それに慌てるレジだが、気にした様子もないルゥはペラっとズボンと下着を捲って中を覗いている。 先程まで初めての発情期に戸惑っていた純粋で可愛いルゥは何処に行ってしまったのか。 「こらルゥっ脱がすんじゃないっ、!!」 普段のやる気のない姿は何処へやら、楽しそうに服を脱がしにかかるルゥをレジは慌てて止めようとするが、ルゥは意外と力が強い。 抵抗虚しくズボンと下着だけでなく全ての服を剥ぎ取られてしまった。 「これはおかしいぞ!?これはいけない!!」 「なんで?」 「・・・っ!可愛い顔してもダメだ!」 「別にそんな顔してない」 往生際の悪いレジをベッドに押し倒しその上に乗り上げるルゥ。相変わらず頭の上にある獣耳とゆらゆら揺れる尻尾。その大胆な行動に対して、それ以上何かしてくることはない。 「レジ、早く」 「・・・わかったよ」 あくまで自分でするのではなく、レジにしてもらうスタンスのようだ。 引く様子のないルゥにとうとうレジは諦めた。ベッドに座り直し膝の上にルゥを抱え直す。抵抗をしてはいたが実はずっと反応したままであった自分のそれをルゥのものと重ねて握る。 「んっ、」 「・・・もっと腰をこっちに」 動かし易いように腰を密着させると、緩く手を上下に動かしていく。久々だったことと、ずっと我慢し続けていたこともありすぐに気分は盛り上がっていく。 まだ刺激に慣れていないルゥは先程までの勢いは何処へやら、レジが与える快感に耳をペタっと垂れさせてふるふると耐えている。無意識なのか腕に絡みつく尻尾といい、ルゥのどの行動もレジにとっては可愛く、そして欲情を掻き立てるだけであった。 遂に我慢が出来なくなったのか先程と同じく首に腕を回して抱きついてくるのを、片腕で抱き寄せシゴく手のスピードを上げていく。 「っ、ぁ、、」 熱い吐息が首筋にかかる。レジの目の前にはほんのりと赤みを帯びた白い首筋があった。そこにかぶりつきたい衝動を必死に抑え、手を動かし続ける。もはやどちらのものともわからない先走りで、くちゅくちゅと音が響いていた。 ルゥは先端の尿道部分を擦られるのがどうやら好きなようで、そこを刺激するたびに首筋に鼻を擦り付けてくる。 「んっ、、ふ、ぁ、」 「ルゥ」 「っ?」 顔が見たくなり名前を呼んでみると、首を傾げながらもしっかりとこちらを見つめてくる赤い瞳。しかしその瞳はいつもと違い熱に浮かされたように涙の薄い膜が覆っている。

ともだちにシェアしよう!