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第22話
「真咲、テーブルに皿並べて。それからフォークも」
「ん、まっ!」
プラスチックの皿とフォークを渡せば遊びの延長で楽しそうに並べてくれる。
朝食を用意する間、真咲に簡単な配膳を手伝わせるのだ。
そうすれば涼真だって助かる、はず。
「上手に出来たな!次、これ」
褒めて欲しくて足にまとわりつく真咲にサラダや目玉焼きを渡した。
「いい匂い。真咲、お手伝い出来るの?」
驚いた様子でスマホを構え、シャッターを切る涼真。
なんだ、ちゃんと親バカ出来てんじゃん。
俺が少しだけ手伝えばきっと上手くいく。
「涼真は座って。真咲、ありがとな」
三人で囲む食卓は久しぶりの家族団欒のように温かだった。
一日かけて、掃除、洗濯、家の片付けを三人でして夜になる頃には概ねスッキリと室内は整った。
驚いたのは真咲が思いのほか戦力になった事と、涼真が想定内の範囲でポンコツだった事。
涼真に家事を教えるより、真咲に教えていった方が二度手間にならず効率がいいのかも。
遊びの延長で手伝ってくれる真咲と乾いた洗濯物を片付けながら俺は今後の方針を考えていた。
「うわ!美味そう!」
「まんま!とと!あーと」
慣れない家事で二人が疲れて眠っている間に俺は夕飯を用意した。
鶏肉の照り焼き、里芋とイカの煮物、キャベツの味噌汁、大根の浅漬けにサラダ。
下心アリアリで用意した食事でも二人の反応はいい。
あっという間に食事を終え、たらふく食べた真咲は再び夢の住人になった。
子供の寝顔を愛おしそうに見つめる涼真。
その涼真に思いを寄せる俺。
「涼真にお願いがあるんだ。聞いてくれる?」
やっと大人の話が出来る時間だ。
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