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第25話

「光熱費と食費は出す」 「光熱費はお願いするとしても、食費は折半!」 涼真の家で夕飯の支度の途中、同居に関する意見が食い違って声を荒立ててしまった。 「家賃払って貰ったら、そこは譲れない」 大の大人が言い争い、ビックリしたのか飛んできた真咲の目から大粒の涙が零れた。 「うわ〜ん…ぱぁぱ…とと〜…」 「真咲、怒ってないよ。郁弥がガンコなんだよ」 「子供に変な事言うなよ。涼真が人の言う事聞かないから…」 途中で言葉に詰まった。 こんな大人のケンカ、見せちゃ駄目だ。 「真咲、ごめんな。俺、真咲と真咲のパパと同じ家に住むの嬉しくてさ」 屈んで視線を合わせると言ってる言葉は分からなくても意味は通じたようだ。 涙は止まり口をへの字にしてややお怒りのご様子。 「とと…め。ぱぁぱ…め!」 おっと…これは叱られたのか? 涼真と二人、思わず顔を見合わせて笑った。 「面倒だから月末に引越して来いよ」 「はぁ?そんな急に出来るわけないだろ」 「するんだよ」 すっかりと馴染んだ川の字で俺は涼真にそう言った。 となりで すよすよと真咲が眠っている。 「家賃だってバカにならないし、とにかく早く一緒に住みたい!」 涼真に笑われる前提で言ったのだが…涼真はそっぽを向いてしまった。 「郁弥…オマエどんな顔して言ってんの?それじゃ同棲間近のカップルみたい…」 俺はそう言ってるお前の顔が見てみたいよ。

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