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第39話【R18】
「ちょっとだけ…溜まるとね、良くないから」
自分に言い訳なんてしなくてもいいのに、なぜか正当化してから行為に挑む。
洗い場でイスに座って股間のアレを手に取った。
「おい、久しぶりだよな、オマエ」
話しかけるなんてナンセンス。
…でも…、そうでもしないと脳裏にチラつく白い肌と黒い下着のコントラスト。
「…な…んか…アイツが…エロくて……ン…」
…久しぶりのソロプレイ…。
くちくちと水音をさせて…でもなるべく静かに…。
そして涼真のあの姿が鮮明に思い出せるうちに…それをオカズにして…
緩く扱いて、先も手のひらで撫でるように刺激を与えた。
どんな顔してたんだろう…頭の中で振り返った涼真の顔は……
「ン…ンッ…!」
ドロリとした欲望を手に吐いて、正気に戻った。
「マジでヤベー奴じゃん、俺…」
…熱を吐き出した後の、この…賢者になる瞬間が嫌だ…。
「郁弥、おはよう」
「とと〜、はよ!」
「もう時間、だろ?」
少し寝坊してしまった俺は、涼真と真咲に起こされた。
「おはよう。悪いな」
似たような顔に寝顔を覗き込まれて些か気恥しい。
「いいんだ。俺だって、郁弥の役にたちたい。な、真咲」
「とと〜だっこ〜」
布団の上から抱きついてくる体温は身体だけでなく心まで温めてくれる。
そうか、俺がするだけじゃなくて…俺も…してもらえるんだ…。
気づいて嬉しい反面、何だか胸が詰まった。
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