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第58話

目を瞑ってキスされるがままの涼真の様子からして、俺を受け入れてくれた、と思う。 「ん…」 緊張で口元を引き締めたと同時に涼真から声が漏れ、俺は震えた。 興奮しながら手はさりげなく恋人繋ぎにして何度も唇に触れるキスをするが、ヤバい…これは…クる…! …いいのかな…ディープなヤツやっても… 薄目を開けて盗み見るように涼真の表情を追っていたら不意に視線が絡んだ。 すると乱暴に手を解いて俺を睨む涼真。 「子供扱い、すんな」 そう言って涼真は俺の首に腕を回し頭を引き寄せた。 涼真からのキス。 しかもディープなヤツ。 涼真の舌が歯列を割って舌に絡む。 たどたどしくも表面を撫でられ、より深く求められると俺は夢中になってそれに応えた。 …涼真の細い身体をギュッと抱きしめて…。 セックスを知らない子供のように、興奮して心臓が壊れるんじゃないかって位にドキドキして目が回る。 涼真と求め合う…そんな日が…来ようとは…! 「あ…」 カクンと涼真の身体から力が抜けた。 「…ゴメン…立ってらんない…」 「悪い…つい夢中になって…」 涼真の身体を支えてとりあえずイスに座らせた。 はは…とはにかむ涼真のにズクンと身体が反応する。 「郁弥…それ…」 ヤバい…見られてる… 「まぁ…男なんで…スマン…」 「…俺は嬉しいけど…ね…」 「涼真…」 再びキスしようと顔を近づけていけば涼真もキス待ち顔で待機。 「…ん…」 涼真とキス…唇が近づいたその瞬間、 「ただいまーー!」 「ひっ!」 玄関から元気な声が聞こえて…顔を真っ赤にしながら俺たちは慌てて離れた。

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