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第79話
買ってきた品物を次々と冷蔵庫に仕舞い、次は真咲の学校の準備の手伝い。
「さてと…どこまで終わってんだ?」
テーブルの真ん中に散乱したプリント類。
その両脇に教材が同じく山になっていた。
出かける前まで涼真が座っていたイスに腰掛け、ブロックを一つ二つ持って確認すると小さく名前が書いてある。
「こっちは終わってんのか。じゃ、こっち側は…まだだな。よし」
サイコロを幾つか確認して手前に寄せる。
「マジックペン…どこだ?」
プリントが乱れて重なっている上から手を当てて探した。
「あった!さて…ん…?」
紙が数枚、腕の動きに引き摺られてテーブルの端に不安定に留まって落ち…ない!
「セーフ!はは!」
声を出して笑い、一人ではしゃいでる俺。
「はたから見たらヤバい奴だな」
そんな言葉を口にだして何気なくプリントを見た。
「緊急時における引き取り確認票、通学経路確認表、入学時保険調査票…ふーん、色々あんだな」
災害時に誰が学校にいる真咲を連れ帰るのか、そして実際に起きた場合はコレをそのまま使うんだ。
涼真、俺、ねーちゃん、…まあ妥当だな。
通学経路は…あ、…自分で地図書いて赤えんぴつで道順なぞって…。
ウチは近いから簡単だけど遠いと大変だな。
保険調査票…は、簡単なアンケート。
出生時に異常がある、なし、…それから…血液型…O型…。
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